最終章-前編-
出来るはずがない。
定着した運命は変えられないのだと現実を突き付けられてきた。信じて振り翳してきた全てが絶望の未来へ至るまでの糧でしかなかった。
今更。何を試したところで。
未来はもう。
「やってやろうじゃないか」
……え?
「あれこれ考えるより見易いじゃねえか」
「連携は俺らの十八番やからな!」
気合いを入れるかの如くドンキーは平手に拳を入れてニヤリと笑み。
「そうと決まれば」
「やる気が出てきたな」
「正義のヒーローみたいだね!」
「元々そうだろ」
「ま、待ってください!」
声を上げたのはルキナだった。
「どうして」
意志違わぬ戦士たちに向かって堪らず叫ぶ。
「死ぬかもしれないのに!」
希望や奇跡を信じなくても。
どうせ、変えられないのなら。
いっそのこと。
「──俺たちは誰も死なない」
はっと顔を上げる。
「失わないし、失わせない」
フォックスは笑いかける。
「信じてきた仲間たちがいるからな」