第四章



言えない、って。

例えばそれはどんな理由だろう――?


「で。どうするのさ」

四人は植え込みを離れ歩き出していた。

舞台となった司令塔が遠ざかる。次その場所へ出向く時、自分たちは一体どんな顔をして彼らに会えばいいのだろう。

「今回のこと」

カービィは続ける。

「もちろん報告するよ。じゃなきゃ調査した意味がない」

マルスは少し先を歩きながら。

「第一に今回のことだって本当なら隠す必要はなかったんだ」

何だろう。

「同じ正義を共にする仲間なら」


落ち着かない。


「尚のこと」
「なに焦ってんの?」

歩く速度を上げて追いついたカービィが後ろから肩を掴んで引き止めた。

「あいつらは何が起こるのか知ってる」

緩く拳を握り締める。

「それでも信じたいって」

影を差す。

「本気で思ってるの」


……僕たちは。

これからどうなるというのだろう。


「言うね」

マルスはカービィの手を弾いた。

「ようやく呪縛から解放されたかい」
「今回に限って、ってだけ」

弾かれたその手を流れ動作で今度は腰に当てながら。

「根本的な方針は変わってないよ」
 
 
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