第四章
フラッシュバックする。
頭の中で引っ掛かっていた数々の光景がぞっとするくらい一致した。
ルキナという人物がリンクが言ったように自身が未来から来たという証拠の提示として彼らフォーエス部隊の遺品となり得る物を持ってきていたのだとしたら。
「僕からもいいかな」
マルスが重く口を開いた。
「クレシスのことなんだけど」
目を丸くする。
「……嘘をついてると思う」
それは。
紛れもない事実だった。
「だろうね」
カービィは短く息をつく。
「あいつ途中から適当だったし」
「隠すつもりもありませんでしたね」
頷く。
「……問題は、どうして僕たちに嘘をついたのかってことだけど」
質問に言葉を返すその人は何処か遠くを見つめているようで。
或いは新しく就いた役職が彼を変えてしまったのかもしれない。けれど信じたいのはまだ記憶に残る言葉や態度の棘とは裏腹に人を想う内に秘めた優しい心。
「可能性として考えられるのは」
リンクは深く思案しながら。
「その絶望の未来とやらに俺たちも深く関わっている……」
「じゃあなんで言わないの?」
カービィは眉を顰めた。
「自分たちはその絶望の未来を回避して僕たちは同じ未来を辿れって?」
「言わないんじゃなくて」
それまで黙っていたマリオがぽつりと。
「……言えないんじゃないか」