第四章
絶望の……未来……?
「……は?」
他三人の胸の内を代弁するかのようにカービィがぽつりと呟いたが無理もない。こっちは軽い気持ちで聞いたというのにまた随分面白おかしく話を盛られ……
「マジで言ってんの?」
尚も目の色を変えず見据えるクレシスに疑心が解けた。
「こいつが嘘なら俺も騙されてるという話になる」
「じゃあ本当に?」
クレシスは皿の上に並べられたもうすっかり冷めてしまったクッキーのひとつを手に取ると口に運びつつ。
「……本当だ」
世界を滅ぼす絶望の未来――
「どういう未来なんだよ?」
「さぁな。そいつは知らねえ」
「貴方それでも管理下ですか」
リンクは思わず眉を顰める。
「しょうがねえだろ。それ以上のことは何も聞かされてないんだから」
とんでもない発言が飛び出した。
「ちょ……あんた騙されてるよ」
「嘘ならそれでいいだろう」
クレシスは足を組む。
「だが。逆ならどうだ」
本当だった場合のリスクが高すぎる――
「息子が似るのはまだ分かるけどなぁ」
「……何の話だ」
マリオはやれやれと溜め息を吐く。
「何にせよ前科がある」
「前科って?」
クレシスは椅子に凭れながら。
「……ルキナだよ。以前にも同じような案件ですっ飛んできたんだと」
「未来から?」
なんと。まあ。
「何それ」
カービィは呆れたように。
「じゃあもうそいつ一人でいいじゃん」