第四章



数週間前のトーナメントでの一件。

現状況に至るまでの経緯。見てきたこと気になったこと、余すことなく事細かに全てリンクはクレシスに話した。

一方でクレシスはその間ただのひと言も口を挟むことなくただ紅茶を啜り視線を落として。静かに耳を傾けていて。

「……以上です」

リンクが話を終えると同時にクレシスは紅茶のカップを小皿に返した。それから悩むように人差し指の背を顎に添えて。

「どうしたもんかな」

小さく。ぽつりと。

「何か知ってるんですか?」
「当たり前だろうが」

で。クレシスは両肘を立てて寄りかかり両手を口元へ移動させながら。

「何処まで信じる?」


その言葉に。

強烈な違和感と不安感を感じた。


「信じろってなら何処までも」

カービィは頬杖をつく。

「ドラゴンが火吹いて空飛ぶ時代だよ。今更何を信じないってのさ」
「じゃあ聞くが」

続け様。

「タイムスリップって知ってるか?」
 
 
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