第四章
声をかけようとしたのも矢先。
「保険のようなものです」
リンクは答えた。
「……ここだけの話。我々はあまりにも見つけすぎていますから」
その発言に何故だかぞっとした。十にも満たない正義部隊の隊員の部屋の中で目にした不可解なそれらがからかうようにフラッシュバックして脳裏に映り込む。此方が正義のヒーローと見て油断しているのか否か彼らの発言というのも何処か突っかかるものばかりだ。
「敢えて見つけないのも大事ですよ」
「……ねぇリンク」
カービィは声を拾われてしまわないよう小さな声で。
「パックマンの部屋で何か見た?」
リンクは口を噤んだまま答えなかった。
或いは聞こえなかったのか。結局真相は分からないまま、六人は次の部屋へ差し掛かろうとしていた――
「カムイ」
次の部屋の主の名前は聞いたことがない名前だった。ここまでは以前トーナメントに参加していた為見た目や名前を把握していたが次にロックマンが呼んだその名前は聞き覚えがない。
そう考えている間に扉が開いて。
「どうしたの?」
白銀の髪に赤の瞳。
「……?」
「訳あって寮内を案内している。都合が悪くなければ部屋を見せてもらえるか」
その少年カムイは頷いて。
「どうぞ」