第三章
……言葉に詰まる。
確かに彼らの言い分は正しい。けど自分だって、マークがそう言ってくれたように正しいと信じてきたそれを否定したくないしされたくもない。
想うことは、同じなはずなのに。
自身の町や国の未来と平和を願っているただそれだけなのに。
「……それで」
マークはようやく口を開いた。
「どうして僕たちに反抗を?」
今までの話題からほんの少し逸れた質問にルーティはきょとんとして見つめた。
「目的は分かった。……だけど僕たちと戦うよりは素直に手を引いて、それからまた運動を再開させれば被害も最小限で済んだはずだ」
マークは首を横に振って、
「いや……今回の作戦には彼らX部隊も関わっていたんだから寧ろ説得をして、仲間に引き入れた方が君たちにとっても心強い味方になっていたはず」
――それをしなかったのは?
「決まってるじゃない」
女性は平然、何食わぬ顔をして。
「この世界の主たるマスター様とクレイジー様に反逆者の血を捧げるためよ」