第三章



マークが示した角を曲がって人々が行き交う賑やかな大通りを抜けると、打って変わってひと気もなくなり騒がしい声や音も遠退いた。

「……元気じゃのう、この街は」

シラヌイが溜め込んだ息を吐き出す。

「あはは……」


御老体には厳しかったのかな……


「何か言うたかのう」


地獄耳!


「……ルーティ」

じっとりと浴びせられる視線から逃れるようにして呼ぶ声に飛びつく。

「はい!」
「ひとつ気になることがあるんだが」
「何でしょう!」
「……かの亜空軍の主将」

はたと。

「マスターハンドとクレイジーハンドを見たことはあるか」


空気の流れが止まった。


「ま、まあ」

曖昧に返したと同時に止まったものだと錯覚させていた空気の流れが、緩やかに機能を再開させて。

「そうか」

ロックマンは続け様に口を開く。

「どんな姿だった?」
 
 
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