第二章-後編-



踏み込み、足をバネのようにして。

蹴りの対処に構えていたロックマンは早い切り返しに少しだけ驚いた。だが先程と同じ、双方の攻撃が重なる瞬間に回避行動をとれば同じこと――

「っ、!」


――ルーティが先制!?


次の攻撃も躱したがそれはルーティの繰り出した拳のみだった。そしてそれを躱した隙、来る、と思った瞬間にはもう。

「っ……!」

ウルフの蹴りが顎下にクリーンヒットする。それまで安定していた視界が初めて歪んだ。目の前に飛び込むルーティ。すかさず腕を構える。……だが。

「遅ェ!」

ウルフの次の蹴りがガードを崩させた。その隙。懐に潜って地面を蹴り出し拳を振り上げるルーティのアッパーカット。次いで今度はウルフではなくルーティの連撃。二発、防御の間もなく受け入れてしまったが三発目は防げた。

……けど。

「ぐっ」

ウルフの蹴りが再びガードを崩しにかかる。餅を搗くように次々と、ではなく。読み切れないタイミングのズレが防戦一方を余儀なくさせる。

連携じゃない。これはまさか。

「タイミングくらい合わせてよ!」
「てめえが遅ェんだろ電気ネズミ!」


二対一じゃなくて――!
 
 
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