第二章-後編-



ぞっとした。程なくその笑みもにこりと愛らしいものに変わったがあの一瞬で植え付けられた恐怖は拭えない。ルーティが硬直していると。

「あ。終わったみたいだよ?」

ようやく視線が外れたことに安堵しながらモニターを見上げる。


“WINNER ロックマン”


二体一という不利な状況で勝利を収めるとは。これでBブロックの試合は全て終了し、ロックマンの決勝戦進出が決定した。戻ってきたロックマンの元へパックマンが駆けていきようやく息の詰まるような空気から解放されたルーティは小さく息を吐き出すと、続け様戻ってきたカービィとマルスの元へ急いで。

「馬鹿者!」 

ぴしゃりと厳しく叱りつける声にルーティは足を止める。

「試合中に手を組んで一人を集中狙いするとは何事だ!」
「別にいいじゃん……どうせ勝てなかったし」

ねぇ、とカービィがマルスを肘で小突く。

「戦略に酔ってかかるから返り討ちにされるんだ」
「そんなんじゃないよ。一対一ならもっと酷かった」

メタナイトは仮面の奥で目を細めて腕を組む。

「どうせ恥なら僕は手を組む方を選ぶね」
「……悔しいけど同意見だ。でもその分見えるものもあったと思う」

そうして振り返ったマルスと視線が合わさった。ルーティは思わず息を呑む。

「次はルーティ達の試合だね」
 
 
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