第二章-後編-
◆第二章『だって、それが戦士でしょ-後編-』
かち、かち。時計の音が鳴り響く中。
「兄さん」
自動式のドアが開き足を踏み入れた赤帽のその人にルイージが声を上げた。
「……リンクは」
「心配すんな。ちょこっと安静にしときゃ治る」
その場に居合わせた誰もが安心したように息をついた、その刹那。
「本当は分かってたんじゃねえか」
沈黙を掻っ切るそのひと言に。
「……え」
誰に限ったものでもなく複数の人間がそう漏らした。
「しらを切るんじゃねえぞ」
ワリオが睨んだ相手はシュルクである。
「……あのアップデートだよ!」
「でもっあれは――」
「不具合が出る可能性は幾らでもあった」
負けじとルフレが前に出る。
「それでも提案を受け入れたのは貴方たちじゃない」
「どうだろうな。さっきの試合で機械を操作してたのは貴様たちだぞ」
「……! 僕たちを疑うのか!」
不穏な空気が立ち込める。
「ワリオさん!」
「何も無けりゃ普通に遊んでた癖に、何かあったらオレたちのせい?」
パックマンが顔を顰めている。
「先輩部隊だからって調子に乗りすぎなんじゃないの?」
「そういう言い方は――」
「馬鹿みたい」
ぽつりと。
小さく呟いたその人に注目が集まる。
「……ハル」