プロローグ
◆プロローグ
信じることは守る強さになる――
僕がまだ幼かった頃、その人はそう言って笑った。
大好きだった。憧れだった。
それは。その気持ちは今も変わらない。
……父さん。
あなたは僕たちの誇りです。
これからもずっと。
「……んん」
カーテンの隙間から朝陽が射し込む。
固く瞑っては身をよじり布団に深く潜って拒否。
「おい」
声が聞こえる。
「あと五分」
「さっさと起きろ」
放物線を描いて、ではなく。直線を引いて拳銃が直行直撃。
「遅刻してえってなら止めはしないけどな」
すかさず投げ返そうと拳銃を手に掴んで起き上がったが、はっと思い出した。
壁に掛けられた時計を振り返る。
「わあぁあああ!?」
「……るっせえ」
今日も。
僕たちの朝は慌ただしい。
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