風鈴高校
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"女の子の手"と言われ、一瞬ドキッとした。顔に出ないように必死に笑みを張り付ける。そして蘇枋もニコッと笑って氷織から手を離した。
「風鈴に行く途中だったんだよね。良かったらオレが案内してあげるよ」
「あ、ありがとう」
そうして蘇枋の案内で風鈴高校まで一緒に行くことになった氷織は、隣を並んで歩く蘇枋をチラリと盗み見る。
「(イケメンさんだなぁ。何で眼帯してるんだろ?着てる服もどこか中国っぽいし…。)」
「もしかしてこの眼帯が気になってる?」
「え!何で!?」
「何でって…そんなにまじまじとガン見されたらスルーできないなって」
「ガン見…。し、失礼しました…」
自分ではガン見するほど見つめていた感覚はなくて、蘇枋に指摘されて初めて気付き、慌てて頭を下げる。
「あはは、謝らなくていいのに。この眼帯は右眼に古代中国の悪霊を封印してあってね」
「悪霊…?え…蘇枋君ってもしかして…お、陰陽師の生き残りとか!?」
「え?」
「(あれ?違った?)」
「ぷっ…くくくっ」
キラキラとした羨望の眼差しを向けると、蘇枋は少し驚いた顔を見せた後、肩を震わせながら手で口を覆い、声を押し殺して笑う。
「そっかぁ、陰陽師の生き残りかぁ。そういう発想に辿り着くとは思わなかった。やっぱり面白いね、神座君って」
「何で笑ったの…?」
「え?笑ってないよ?」
「いや明らかに声押し殺して笑ってたよね?」
「気のせい気のせい」
絶対気のせいじゃないと思いつつも、きっと言えない事情があるのだろうと結論付け、それ以上は蘇枋の眼帯について追求するのをやめた。
「着いたよ」
「(カラスが不気味に鳴いてる…)」
「行かないの?早く来ないと置いてっちゃうよ」
「い、今行く!」
先を歩く蘇枋の後に続いて風鈴高校の敷地内に入る。周囲を見渡すと、学校の壁の至る所に落書きの痕跡があり、さすが不良校だと改めて思い知った。
「神座君、あったよ」
「?」
「クラス分けの名簿」
時代劇のような三角板にはクラス分けの名簿表が張り出されており、蘇枋はすぐに自分と氷織の名前を見つける。
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