風鈴高校
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「顔つきも女みたいだし」
「近いんで離れてもらえます?」
「あ?」
「聞こえなかったですかね。ではもう一度だけ…気色悪い顔近付けんなクズ」
男の米神に青筋が浮かぶ。街の人達も遠くからハラハラとした様子でこちらを窺っている。
「上等じゃねぇかよ…」
「テメェらやっちまえ!!」
5~6人いる男達が一斉に走り出し、氷織に向けて拳や蹴りを放つ。
「一斉に来るあたりが卑怯だよ…ねっ!!」
ゴッ
拳を避けるとすぐに回し蹴りを食らわす。当たり所が悪かったのか、地面に倒れた男は一発で気絶した。
「あれ?もしかして気絶した?」
「嘘だろ…何だよコイツの強さ」
「今の速くて見えなかった…」
「さてと…残りもやっちゃいますか」
顔を向けると男達はビクッと反応する。ニコリと笑んだ氷織は一瞬で間を詰めると、残りの男達を次々と倒していく。そして全てが片付くと、地面にはボロボロの男達が転がっていた。
「すごいな兄ちゃん!!」
「やるじゃないか!!」
「さすがは風鈴の子だよ!!」
遠巻きに見ていた街の人達がワッと周りに集まり始め、あれだけの数を相手に一瞬で倒してしまった氷織の強さに感動していた。
「えっと…」
「細っこいのに凄いなぁ!」
「この街を守ってくれてありがとよ!」
「!」
街の人の笑顔と言葉に目を見開いた。
「(やっぱり噂はアテにならない。風鈴がド底辺の嫌われ者?こんなに好かれてるのに?)」
「助けてもらった礼だ!うちの野菜持ってきな!」
「!」
「うちのコロッケもうめぇぞ!」
「どら焼きも食べてよ!」
「ありがとう…ございます」
街の人の好意に戸惑うも、両手にどっさりと戦利品を抱え、お礼を告げた。
「(優しい、この街の人達は。なにより…【悪意】を全く感じない。)」
ふっと小さく笑い、街の人達に見送られながらその場を立ち去る。
「それにしても本当にたくさんくれたな。野菜は炒め物にして…コロッケは夜ご飯で食べて、どら焼きは明日のおやつにしよう」
明日は風鈴高校の入学式。どんな出会いが待ち受けているのだろうと楽しそうに笑う氷織だった。
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