風鈴高校
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「畑じゃなくて獅子頭れ…」
「ししとう!?お前胃弱いのに大丈夫かよ!!絶対大葉の方がいいって!!」
「は…話が噛み合ってない…」
「(なるほど。あれが柊さんの胃痛の原因か…)」
怒りでプルプルと震えている柊に苦笑して、改めて畑の多さと植えてある野菜に目を向ける。
「(これだけの野菜を育ててるの凄いな。…あの人は母親のくせに料理すらしなかったもんな。まぁ…望んで"母親"になったわけじゃないから仕方ないと言えばそれまでなんだけど。)」
「神座君、どうかした?」
「何でもないよ」
気にかけてくれる蘇枋を心配させたくなくてニコリと笑い、すぐに頭の中から母親の存在を消す。
「あれが…梅宮」
「"あの人"が!!梅宮"さん"だ!!!」
「うるせーな」
桜が梅宮を呼び捨てにした瞬間、ガッと胸ぐらを掴み、"さん付け"を強要させる杉下。
「こっちがトマト、こっちがピーマン。んでナス、キュウリ、オクラ。みんな個性があって可愛いだろ」
「全部同じ草じゃねーか」
「ほんとこいつもー人の話聞かねぇし、話し出すと気が済むまで終わんねーし、ほんと…ほんともー」
無意識に貧乏ゆすりまでする柊のストレスは溜まるばかりで、梅宮に対しての文句が止まらない。
「笹城君、平気?」
「大丈夫だよー」
緊張からか、それとも恐怖からか、青ざめた顔で怯える笹城を安心させる為に氷織と蘇枋が声を掛ける。
「えーよく見ろ。全然違うだろー」
「(梅宮さん、放送で聞いた時と同じで陽気な人だな。でも声だけであれだけの空気を変えた。この人の何が…人を惹きつけるんだろう?)」
「梅宮さんのこと見すぎじゃない?」
「そ、そんなに見てない」
「あんまり他の男に目移りしたらダメだよ。君にはオレだけを見つめててほしいんだから」
「蘇枋君…笹城君が聞いてる…から」
「え!?」
急に自分に振られた笹城は焦り始め、ニコッと笑みを浮かべている蘇枋と恥ずかしさで顔を俯かせている氷織を交互に見遣る。
「いっぱい実ぃつくといいなぁ…」
「………、あの!」
「おおぅ」
急に立ち上がった笹城の大声に驚いた梅宮は、持っていた苗を落としそうになる。
.