風鈴高校
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「(仲間を仲間と思わない連中なのか。)」
カラン コロン
「?なんの音だ?」
「(下駄…?)」
「なになにぃ、どうしたのぉ?」
ゆったりとした声で登場した長身の人物が現れた途端、獅子頭連の連中はビクッと体が跳ね、恐怖で顔を引き攣らせた。
「こっちのスカジャンがすっ飛んで行くのが見えたからぁ、追っかけてきたんだけどぉ…」
「(あぁ…この人、嫌だな。)」
「よりにもよって…こいつまで来るとはな…獅子頭連副頭取…十亀条。」
「(【悪意】の匂いがする───。)」
全ての匂いの中で一番嫌いな匂いだ。それは十亀の全身から滲み出ていて、氷織は嫌悪感から顔を歪める。
「なあんでフウリンがぁ、こっちにいるのぉ?」
「(気付くの遅くない?)」
「んー?えー猿渡どおしたのぉ?」
サングラスを少し下げ、風鈴がいる事に気付いた十亀は、地面に転がる猿渡に再度気づくと、驚いた声を出す。
「そいつがうちのを追い回してたんだ」
「んん?ああ、柊じゃーん、やっほー」
「(何もかもワンテンポ遅い。)」
「これぇ…そいつらがぁ、やったのぉ?」
不気味な笑みを浮かべる十亀の雰囲気にぞわりと身の毛がよだち、一瞬でヤバい奴だと悟る。
「いってぇ…」
桜と杉下に蹴り飛ばされて気絶していた男が意識を取り戻し、むくりと上体を起こす。
「この野郎ふざけやがって!!この高架からこっちは獅子頭連のシマだ!!オレらのシマででけぇツラしてんじゃ、ね"」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。激昂する男の背後にいた十亀が持っていたラムネ瓶を男の脳天目掛けて振り下ろしたのだ。
「っ…………」
パァン!!っと凄い音を立てて砕けた硝子の破片が飛び散り、地面に散乱する。
「"オレら"のシマぁ?」
前のめりに倒れた男の髪を乱暴に鷲掴み、拳を振り翳す十亀。
「お前ぇ負けたんだろぉ?それぇ弱いってことじゃあん。お前も知ってるだろぉ?弱いってやつはぁ…」
「やめろ!!」
静かに怒りをぶつける十亀は気絶している男の顔を容赦なく何度も殴り付ける。すると十亀の行動を制止させるように柊が声を荒らげた。
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