風鈴高校
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
近づいてくると追いかけている奴らの正体もハッキリとした。
「(オレンジのスカジャン!!獅子頭連──!!!)」
恐怖に染まった顔で逃げ続けている傷だらけの少年を追いかけていたのは獅子頭連の連中だ。
「柊さん!!高架を超えるまで持ちません!!」
氷織の顔にも焦りが浮かぶ。その時、少年が躓いて体勢を崩す。
先程まで獅子頭連とは関わりたくないと思っていたのに、少年が前から倒れ込みそうになった瞬間、そんな考えは一瞬で消し飛び、高架を超えて走り出した氷織は滑り込みで少年の体を受け止める。
「うぷっ!」
「そのまま動かないで!!」
氷織の言葉に少年の動きがピタッと止まる。キッと睨み付ける視線の先に、獅子頭連の姿があり、奴らは氷織に向けて手を伸ばした──かと思えば、何者かの強烈な蹴りで吹き飛んだ獅子頭連。
「…おいテメー邪魔なんだよ…」
「……………」
「桜君!杉下君!」
氷織の前で着地する桜と杉下。二人が獅子頭連の連中を蹴り飛ばしたおかげで、氷織にも少年にも危害が及ぶことはなかった。
「なんてことを…。あ…相手のシマでこちらから手を出すなんて…」
顔を真っ青にさせて震える楡井の横で、蘇枋はニコッと笑みを浮かべて笑っている。
「なに言ってやがる。こいつが身内なら…」
「「手はもう出されてる」」
二人の声がハモり、氷織は獅子頭連の連中を険しい顔で睨みつけている。
「あとはオレがやる、あっち行ってろ」
「……………」
「聞け!!」
「なにしてんすかあんたら…!!」
「もしかして楡井君、僕にも怒ってる?」
「神座さんは無茶し過ぎです!!あとで蘇枋さんにしこたま怒られてください!!」
「え……」
チラッと恐る恐る蘇枋の表情を窺うと、彼はニコッと笑みを深めた。それが余計に恐ろしく思えた氷織は『ひぇ…』っと情けない声を出し、涙を浮かべてプルプルと震える。
「あーあ、なにやってんだよ…」
「!」
「あーだめだ。完全にのびてる。」
「ケリ一発で落ちるとかダサ」
仲間であるにも関わらず、気絶した男の顔を足で踏み、頬を突っつく二人。
.