風鈴高校
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「はい!!(すおかむ推しガチ勢。)」
「そんな期待に満ちた眼差しで見られても…。というか蘇枋君モテるんだし、男の僕じゃなくて女の子を好きになりなよ」
「オレは君以外眼中にないから」
笑顔でサラッと全ての女の子を敵に回すような発言をした蘇枋に少しだけドン引いた。
その様子を前を歩きながら見ていた柊が"何やってんだコイツら…"と呆れるような顔を浮かべている。
「……………」
「ケンカじゃねぇと楽しくねぇか?」
「?」
「気持ちは分からんでもないがな。オレたちも前まではそうだったし…けどよ…」
"言葉"を交わしたり、必要とされたり、そうやって街の人達と関わることは思ったよりも楽しいものだと、桜に諭すように柊は続けた。
その時、耳を劈くような低い轟音に驚いて顔を上げると、高架の上を電車が通った所だった。
「びっくりした…」
「ぶっさいくな犬だな」
桜の視線を辿ると、アーチ部分に黒いペンキで犬かどうかも判別が難しい紋章が描かれている。
「ちょ桜さん!そんなこと言っちゃだめっす!!どこにあちらの人がいるか分かんないっすよ!?」
「あちら?」
「ここはちょうどボウフウリンと別のチームの"シマ境"なんです。ぜったい、この高架から向こうで問題起こしちゃだめですよ…!!」
国の法律が違うように、向こうではこちらのルールが通用しない。そしてこの先のシマを仕切っているチームの名は───。
「"力"の絶対信仰、獅子頭連」
"力"こそが全ての荒くれ者たちが集う不良軍団だ。絶対に関わりたくない氷織に対し、ケンカ好きな桜にとっては最高の場所であり、現に本人も『いいね、そういうの好きだぜ』と不敵な笑みが滲み出ていた。
「待てゴラァ!!」
響いた怒号に全員の視線が高架の向こう側に注がれる。すると奥の方から傷だらけの少年が複数人に追われているのが見えた。
「三中の制服!?」
柊が知っているということは、"こちら側"の人間なのだろう。少年は自分を追い掛けてくる奴らに捕まらないように後ろを振り返りながら必死に逃げている。
「そんなところで何やってる!!早くこっちに来い!!」
「(彼を追っているのは…)」
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