風鈴高校
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「やり合ってねーし!!こいつが殴りかかってきたから蹴り飛ばしただけだし!!」
「いいからお前ぇらは離れて歩け」
二人の間に割り込み、杉下の顔と桜の頭を押さえ付け、喧嘩しないように引き離す。
「幼稚園の先生みたいだね」
「ははは…」
「!」
見回りをしながら歩いていると、店の電球を取り替えようとしているおばあちゃんが脚立に登ろうとしているのを見つけ、すぐに駆け寄った。
「あの、危ないので自分が代わります」
「あらぁ?風鈴の子かい?これはまた随分と顔立ちの綺麗な子だねぇ」
"それじゃあお言葉に甘えて"と氷織に支えられながら中途半端まで登った脚立から下りたおばあちゃんの代わりに、電球の交換をする為、氷織が脚立に登ろうとする。
「待って神座君」
「!」
「君も怪我したら危ない。代わりにオレが登って電球交換するから降りて」
「蘇枋君」
「まったく…気付いたら姿が見えないからびっくりしたよ。オレに声かけてくれれば一緒に行ったのに」
「ごめん」
「神座君は少し危機感が足りないね」
「う……」
珍しく怒っているであろう蘇枋の言葉は正論で何も言い返せず、申し訳ない気持ちになった。
「こういう時はオレを呼ぶこと?いい?」
「蘇枋君…僕も男なんだしそんなに心配しなくても大丈…」
「"いい?"」
念を押すように口調を強めた蘇枋がにこぉ…っと怒りを含んだ笑顔を張り付ける。"ひぇ…っ"っと情けない声を上げた氷織は、これ以上蘇枋を怒らせない為に何度も必死で頷いた。
「おいおい…何やってんだお前ら!!」
すぐさま柊が駆け付け、心配するから勝手な行動はするなと注意され、桜と杉下も呼び寄せた。
◇◆◇
そして現在に至るというわけだ───。
「いやー助かるよ。消しても消しても落書きされちゃうから」
「いえいえ!」
「なんだよこれぇ!!!」
「こーゆーのもボウフウリンの仕事っすよ」
「(桜君荒ぶってるなぁ。)」
落書きかれた壁をペンキで塗り替えながら、一人でキレている桜を横目で見遣る。
「みてみて神座君」
「?」
「こんなところに相合傘」
「本当だ」
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