風鈴高校
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「では僕はこれで…」
「ちょっと待って!届けてくれたお礼させて!すぐ作るから!」
「(作る?)」
慌てて引き止められ、カウンター席に座るよう促される。少年は素直に指定された席に腰掛け、ことはが作る料理が出てくるまで待つことにした。
「この街では見かけない顔だけど…もしかして町の外から来たの?」
「はい。風鈴高校に通うことになりまして。今日は街の見学をしていました」
「こんな街に来るなんて珍しいヤツもいるのね…。あ、名前、聞いてなかったよね?」
「あー…名前、ですか。名前は"神座"です。神に座ると書いて"カムクラ"。」
「あら、下の名前も含めて聞いたんだけど?」
あまり下の名前で呼ばれるのは好きじゃないため敢えて言わないでいたのだが、ことはにニッコリと尋ねられ、仕方なく教えることにした。
「…氷織です」
「なんだ、素敵じゃん。名前だけ渋るからもっとごっついのかと思った。"権三郎"とか。」
「…あまり下の名前で呼ばれるのは好きじゃないんです」
「何で?良い名前なのに」
「親が…捨てるつもりで適当に付けたので」
「!」
目を丸くして驚くことはに、ふっと軽く笑い、テーブルの上で両手を組み合わせる。
「"ロクデナシ"だったんですけど、やっと縁を切ることができたんです。自由になった今、目的も兼ねてこの街に引っ越して来ました」
「目的?」
「この街で友人を探したいんです。その為に風鈴を志望校にしました」
「あんた、頭良さそうな感じなのに、その友人を探す為にわざわざこの街に来たの?」
「はい」
風鈴に行くと言ったら周りから猛反対された。偏差値は最底辺、喧嘩は最強、"落ちこぼれ"の吹き溜まり。毎日が派閥争いに下剋上、盆も正月もケンカがない日はないという話。
そんな場所に自ら進んで行きたいなんて正気の沙汰じゃないと激しく批難された。自分の頭の良さなら有名な私立校でもやっていける、道を外れてくれるなと激しく批難された。
「(私の意見なんて無視なんだもんなぁ。)」
「はい、オムライス出来たよ。食後の手作りプリンも良かったら食べて」
喫茶ポトスの人気メニューNo.1であるオムライスとNo.2の手作りプリンが出された。
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