風鈴高校
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「たしかに手を出したのは杉下君だけど、てっぺんを目指すほどの君なら、そんなの些末なことだろう」
「!?」
「杉下君…君がクラスメイトに殴りかかったって聞いたら、梅宮さんなんて言うかな」
てっぺんの狂信者の杉下にとっては梅宮が全て。梅宮が何よりも優先。だから失望させるなど以ての外。仕方なく蘇枋の言葉に従った杉下は不機嫌そうに手を差し出した。
一方で、ケンカ以外で人に触れることがなかった桜にとって、杉下との握手はどこか妙な感じだった。
「(蘇枋君、交渉術が上手い。二人が嫌そうな顔しながらも渋々握手に応じた。でも本当に二人ともめちゃくちゃ嫌そう…!)」
握手を交わす二人だが、お互いに痛い程の力が込められ、それを見た蘇枋は笑みを浮かべる。
「いいねいいね青春だね」
「(青春なんだろうか…)」
二人が手を放すとクラスメイト達が桜に群がり、彼の強さについて褒め始めた。
「おいお前るぁ!!」
「!!」
「外行くぞ、外ぉ。」
「は?教室来たばっかだぞ。つか誰。」
それは氷織も同じことを思っていたらしく、教室に現れた強面の人物を見て不思議そうな顔を浮かべていた。
◇◆◇
「桜さんそこムラになってますよ」
「(なんだ。)」
「ペンキの追加貰ってきたよ」
「(これは…)」
「ペンキ塗り楽しいね」
「(なんなんだこの状況は…!?)」
桜が混乱するのも無理はなかった。
実は彼らがペンキ塗りを始める30分前───。
「ちっなんだよ…さっき教室着いたばっかだったのによ…」
「やかましい!!」
先程の人物・榎本が文句ばかり垂れる桜に叱咤し、その大声に驚いた楡井がビクッと反応した。
「喋ってねーで早く校庭まで出るぉ!!お前ぇるぁが遅いとオレまで怒鳴らるぇるだろうが!!」
「(すごい巻き舌。喋りづらそう。)」
「ちんたらしてんじゃねーよ!!」
すると遠くの方から怒鳴り声が響いた。
「お前らが外に出てくるまでに…7分48秒26かかってる。幼稚園児だってもっと早く動けんぞ」
"4階から降りるだけだろうが…"とスマホで時間を確認しながら苛立つ人物がいた。名は柊登馬───風鈴高校の3年生だ。
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