一章

敦 side

─ 1杯の茶漬け

梅干しに刻み海苔それに夕餉の残りの鶏肉 ─

それを熱い白湯に浮かべ塩昆布と一緒にかきこむ

旨かったなぁ

孤児院の台所で人目を盗んで食った夜の茶漬け

ていうか───

腹減って死ぬ───

川辺にそのままバタリとうつ伏せに倒れる

すると上から、声が聞こえた 。

『 やァ〃 、少年 、如何したんだい ?

  こんな道端にぶッ倒れてちゃァ 、駄目だゾ~ 』

そう声をかけられ 、がばっと起き上がって声の発信主を探す 。

そうすると 、170cm前後の身長の美人が居た 。

思わず見惚れていると 、又 如何したの ?と聞かれ 、慌てて 、

「 なんでもないです ! 」

と答える 。

『 そう ? 楢いい卦度 。

  君 、名前は ? 』

「 えっと 、中島 敦です ... 」

『 敦君ね 、私は 夜絵 秋絃 だ 、

  よろしく頼むよ 。 』

にこりと微笑まれると、よろしくお願いしますと顔を赤くして小さく言う 。

すると、ふと彼女が川の方を見てうわ...と小さく言う 。

何だ、と思い川の方を見れば 、川からなにかが生えていた 。

其れはよく見ると 、誰かの足だった 。


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