二小節のペルデーンドシ
警告音が響いている。
保管庫に侵入して自分の本体を抜き取ってきた。
体が熱い。興奮しているのか鼻から血が流れている。
この数日で、保管庫までの経路、保管庫の入り方、ここから出ていくための出口の在処、それらを全部調べ尽くした。成功するかしないかは一か八かではあったが、少なくとも本体を取ってくることまでは成功できた。あとは、逃げるだけ。
「待て! 松井江!」
後ろから声が聞こえてくる。振り返ってはいけない。この数日僕が折られなかったのは奇跡のようなものだ。
ここで失敗しても、何もしなくてもきっと僕は同じ道を辿っていた。
後ろから職員が追いかけてくる。僕は刀剣男士だから人間から逃げることは容易いが、ここには僕の知らない武器や機械がいろいろあるだろう。捕まえられるのも時間の問題だ。
刀を抱えて本気で駆けていく。足がもつれそうだ。出口にたどり着いたところで、本当にあの出口は開くのだろうか。
廊下に警告音が鳴り響いている。真っ赤なライトが僕のことを照らす。捕まえようとしてきた職員を無理やり振り払った時に腕を斬りつけられた。血が止まらない。でもこれでいいんだ、これが本当の僕の業なのだから。
本体と一緒に鍵を盗み出してきた。誰か偉そうな人の職員証を。これをカードリーダーにかざせば開くはずだから、そう思い震える手で職員証をかざす。上手く反応しない。手が震えて仕方ない。
「っ開け!」
ようやく反応した職員証を投げ捨てて、外に飛び出す。
ここから出たところでどうしたらいいのかなんてわからない。誰かに助けを、助けを求めないと、ああでもどうしたらいいんだろう、走って走って、行き場を失い僕はずるずると座り込む。
このまま、僕はここで折れるのだろうか。
「えっ、まじか、お前もしかして研究所から逃げてきたのかにゃ?」
その時、そんな声が上から聞こえてきた。口の中から血の味がする。苦しい。血を流しすぎたのだろうか。
「南泉……どうするんだ。……おいアンタ、GPSは取ってきたんだろうな」
誰だ、なんの話をしているんだ。
ああ、篭手切、こんな無茶をして僕は何をしているのだろう。ごめん、こんなことをしても、君は帰ってこないのに。
「とりあえず左腕を斬り落とすか」
「これ以上血流したら折れそうだにゃ」
「刀剣男士の頑丈さを信じる」
目の前の誰かが僕に刀を振り下ろそうとしている。
これが僕の幕切れか、ぼんやりとそんなことを思いながら、静かに僕は目を閉じた。
「おい馬鹿!寝るなっ……。はあ…………。なんでオレたちいつもこんなことばっか巻き込まれるんだにゃ」
保管庫に侵入して自分の本体を抜き取ってきた。
体が熱い。興奮しているのか鼻から血が流れている。
この数日で、保管庫までの経路、保管庫の入り方、ここから出ていくための出口の在処、それらを全部調べ尽くした。成功するかしないかは一か八かではあったが、少なくとも本体を取ってくることまでは成功できた。あとは、逃げるだけ。
「待て! 松井江!」
後ろから声が聞こえてくる。振り返ってはいけない。この数日僕が折られなかったのは奇跡のようなものだ。
ここで失敗しても、何もしなくてもきっと僕は同じ道を辿っていた。
後ろから職員が追いかけてくる。僕は刀剣男士だから人間から逃げることは容易いが、ここには僕の知らない武器や機械がいろいろあるだろう。捕まえられるのも時間の問題だ。
刀を抱えて本気で駆けていく。足がもつれそうだ。出口にたどり着いたところで、本当にあの出口は開くのだろうか。
廊下に警告音が鳴り響いている。真っ赤なライトが僕のことを照らす。捕まえようとしてきた職員を無理やり振り払った時に腕を斬りつけられた。血が止まらない。でもこれでいいんだ、これが本当の僕の業なのだから。
本体と一緒に鍵を盗み出してきた。誰か偉そうな人の職員証を。これをカードリーダーにかざせば開くはずだから、そう思い震える手で職員証をかざす。上手く反応しない。手が震えて仕方ない。
「っ開け!」
ようやく反応した職員証を投げ捨てて、外に飛び出す。
ここから出たところでどうしたらいいのかなんてわからない。誰かに助けを、助けを求めないと、ああでもどうしたらいいんだろう、走って走って、行き場を失い僕はずるずると座り込む。
このまま、僕はここで折れるのだろうか。
「えっ、まじか、お前もしかして研究所から逃げてきたのかにゃ?」
その時、そんな声が上から聞こえてきた。口の中から血の味がする。苦しい。血を流しすぎたのだろうか。
「南泉……どうするんだ。……おいアンタ、GPSは取ってきたんだろうな」
誰だ、なんの話をしているんだ。
ああ、篭手切、こんな無茶をして僕は何をしているのだろう。ごめん、こんなことをしても、君は帰ってこないのに。
「とりあえず左腕を斬り落とすか」
「これ以上血流したら折れそうだにゃ」
「刀剣男士の頑丈さを信じる」
目の前の誰かが僕に刀を振り下ろそうとしている。
これが僕の幕切れか、ぼんやりとそんなことを思いながら、静かに僕は目を閉じた。
「おい馬鹿!寝るなっ……。はあ…………。なんでオレたちいつもこんなことばっか巻き込まれるんだにゃ」