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炎の中に想いを託して

 それぞれ刀剣男士にはこれまで歴史の中で辿ってきた物語がある。新撰組の物語、織田信長の物語……それらの物語が刀剣男士を構築している。
 そういう話をこんのすけは長々と審神者に聞かせてみせた。
「その刀剣男士のゆかりのある場所や時代に出陣させるのが典型的ですね。やはり詳しいので任務がスムーズに進みますし、成長にも繋がりますから」
「そういうもの?」
「そういうものです」
 審神者にとって今やるべきことを与えてくれ、どうしたらいいのか手助けしてくれるのはこんのすけしかいないのだ。……こんのすけは人ではないが。
「今行けそうなところだと大阪か函館……まあその辺りじゃないですか。刀剣男士のレベル的にも」
 彼女はイマイチぱっとしない様子で、そう、と曖昧に頷いた。
「まあ大阪でいいんじゃないですか。出陣推奨刀剣男士はこんな感じです」
 こんのすけが彼女の目の前にホログラム画面を出す。これは一体どういう技術なのだろう。未来ってすごいな、とぼんやり思う。技術が進みすぎていてどうにも現実感がない。これにひあ何日経っても適応できないままだった。
「ん……じゃあ、そうしてみるよ」
「はい」
 こんのすけが頷いて机の上から彼女の端末を彼女の目の前に持っていく。彼女は頬杖をついたまま端末を起動して、彼女は出陣情報を打ち込み始めた。
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