第3章 2013.10.05~朝日~
「……は」
何かが、聞こえる。
「………つは」
この声は……誰?
「三葉」
誰……誰なの……?あなたは、一体誰?
懐かしい声だ……。そうだ、忘れたくない人、忘れちゃだめな人。あの人の声だ……!
なのに、名前が……思い出せない……?
「三葉」
誰……?あなたは誰……!?
君の名前は……っ?
《第3章 2013.10.05~朝日~》
「!!!」
目が覚めた。体を起こすと同時に、涙が頬を流れ落ちてきた。
少しして意識が覚醒し涙を流していることに気づき、三葉は思わず目に手を当てた。
……私、何で泣いてるんだろう……?
「……大丈夫、お姉ちゃん?」
「っ!四葉……?」
咄嗟に反応すると、そこに四葉とおばあちゃん、サヤちんにテッシーが揃って私の方を見ていた。
それに、ここは高校の校庭……?
最初はなんでこんなとこでみんながいるのかと戸惑ったが、次第に状況を理解し、徐々に、昨日のことを思い出した。