櫛歯とおるごおる

 「かわいくなれるよ」
 「あいされるんだよ」

 そうなの ほんとに?
 あいして、あいして!

 「夢なんてにどと否定されないよ」
 「好きなものをおいかけたっていいんだ」

 あいされることをずっとゆめみてた
 ただ けられてたたかれてなぐられてたって
 あいされるひはずっとこなかったの
 さあてをひかれて くらいとこまで



 午後十時五十七分三秒、
 気温二十五度湿度も良好

 いたいいたいいたいいたいいたい
 助けて助けて助けて助けて

 脈拍は百回毎分
 体温三十九度前後 異常

 あついあついあついあついあつい
 さむいさむいさむいさむいいたい

 経皮的動脈血酸素飽和度
 規定値以下 バイタル異常

 くるしいくるしいくるしいくるしい
 しにたくないしにたくないしにたく



 まいにちまいにちまいにちまいにち
 まいにちまいにちまいにちまいにち
 まいにちまいにちまいにちまいにち
 まいにちまいにちまいにちまいにち

 おなじことをくりかえしていて
 おなじくるしみを まいふんあじわう

 からだがとけて かわっていくのを
 ただみつめるだけ おばけになってく
 いやだやめてよ そのことばもない
 のどもとは さけて わたしのぱせり

 皮膚組織は絡めてパスタに
 ひげ銀でできた人間のふりかけ
 わたしをこなごなにして ただ
 燻製にして もろくしてころして

 わたしのパスタ ね、ひとごろし。
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すき