カゼマチグサ

 芽木檎につきて書かば、日枇杷のことも記すべし。

 日枇杷も、芽木檎と同然に優しきカゼマチなりきとさる。風をさほど運ばず良き天気をもたらせど、風を運ばざらば要らずと村人に祠壊されき。
 美なる乙女なりきとさる。芽木檎と思い合へりといわる。

 今もおりおり祠見られども、利益のあるやはわからず。されど芽木檎と覚ゆる男、おりおり枇杷の小枝を抱けるが見らる。日枇杷はいまだありたりもこそ。

 日枇杷、古き記録のほかにあらず、語り継がれし民話も大方無きため、これより記せず。
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