君の視線はいつだって
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おかしい。何かがおかしい。
「ままぁ〜あの人誰ー?」
「こら!いちいち通行人を気にしないの!すみませんね〜」
「あ、いえ……」
ここは、私の家じゃない。
氷鷹北斗に会うという奇跡的な体験をしたあと、私はタクシーに乗って自分の家の住所まで来た。
もしかしたら、もともとあんさんぶるスターズと私の世界は繋がっていたのではないか?という希望が捨てきれなかったからだ。
幸運なことに、手ぶらだったけどポケットに財布は入っていた。
お金も普通に使えたし、やっぱりここは私の世界で、夢ノ咲学院があったのはたまたまだったんだと安堵した。なのに……
私の家があるはずの場所には、知らない家が建っていた。
私の家は、どこに行ってしまった?
……信じたくなかったし、信じられなかったけど……
もしかしてここは本当に、あんさんぶるスターズの世界なのでは?
だってそうだ。家がいきなりなくなるなんてことある訳が無い。
どうしよう、家がない。家族もない。友達もない。何もない。
突然の事で頭が追いつかないが、不安はどんどん煽られ、涙が浮かんでくる。
いつか、推しに会えるなら死んでもいい〜なんて言っていたけど…ここに私の最推しは居ない。
いや、そんな話をしてる訳じゃなくて……
さすがに本気で2次元に来れるなんて思ってなかった。
何が起きてるんだろう。
財布を見ると、まだ夢ノ咲学院に戻るくらいのお金は入っていた。
目覚めたのが夢ノ咲学院なら、きっと帰れるのも夢ノ咲学院からだ。
戻るよりほかに道はないだろう……
私は再びタクシーをとめ、夢ノ咲学院へ向かった。
夢ノ咲学院に着いた頃には外はすっかり真っ暗で、焦燥感も募っていく。
「じゃーまた明日レッスンでな!」
聞き覚えのある良い声が聞こえてきて、私は思わず木陰に身を隠す。
「あぁ。また明日」
「うん、まったね〜」
「うん!よし、行こうかあんずちゃん!」
「ありがとう。みんなまた明日ね」
どうやらTrickstarが帰宅したようだ。
隠れないで声をかけるべきだっただろうか?
でも今はとりあえず帰りたい。
安心できる人に会いたい。
貴重な経験なのはわかる。わかるけど、こんな怖いの耐えられない。
私は保健室へと歩みを進めた。
夢ノ咲学院の中には案外簡単に入れた。
まだ校舎自体の施錠はされていないわけだから、人に見つかる可能性も高いわけだけど……
今はとにかく人より幽霊が怖い。
夢ノ咲学院は立派な校舎だけど、その分足音が響く。
なんだか後ろから人が来ているような気分になる。
保健室を探し回っていると、「生徒会室」と書いてある部屋を見つけた。
生徒会室のドアは少し空いていて、光が漏れている。
隙間から中を覗いてみると、眼鏡をかけたイケメンがいた。
……知ってる。蓮巳敬人だ。
確か…紅月のメンバーで、夢ノ咲学院の副会長。
イケメンだけど、眉間にすごくシワが寄っている。
「……誰だ」
「ひっ……」
突然蓮巳敬人が声を出すから思わず悲鳴をあげてしまった。
「入ってこい。不法侵入か?」
「ち、違います……」
「入れ。話は中で聞く」
なんだろう、これはきっと言う通りにしてはいけない。
言う通りにしたらお縄につくことになってしまうような……?
「ご、ごめんなさい!」
私はダッシュした。
怖い!怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!!
さっき幽霊が怖いって言ったけど、人も十分怖かった。
私が駆け出してから数秒後、バンッという扉を開ける音とともに、蓮巳敬人が追ってくるのが足音で分かった。
ちょ、ちょっと待って怖い怖い怖い怖い!!!
本気で怖い!
全力疾走し、適当な教室に入った。
なんとか蓮巳敬人はまけたようだ。
「こ、こわかった〜〜……ん?」
目の前に、棺桶がある。
なぜ、学校に棺桶が。
辺りを見渡すと、どうやらここは軽音部の部室らしい。
……嫌な予感がする。
そう思った瞬間、棺桶の蓋がズレた。
「……誰じゃ?」
……知ってる、この人。
朔間零…確か、UNDEAD……の人。
「…おや、初めて見る嬢ちゃんじゃのう。血を吸われに来たのかえ?」
「…は、は?」
そうだこの人、吸血鬼キャラだ。
「……最近血に飢えておったからなぁ。ちょうど良かったわい。嬢ちゃん、お主に頼みたいことがあるんじゃが」
「ご、ごめんなさい!」
私は教室を出た。
なんだ、この学校は……!
私は保健室への道が結局分からず、とりあえず安全そうなどこかの教室に潜むことにした。
校内をこれ以上歩くのは心と体が持たない。
もうどうにでもなれ……私の人生は終わった。
日が昇ればたくさん生徒が登校して、私に驚いて通報するんだ。
多くの人が愛するあんさんぶるスターズの世界にいるのに、私は特にキャラと仲良くなるわけでもなく、通報され、捕まり、あんさんぶるスターズ内の刑務所に入るんだ。
なんて悲しい人生……
どうせ捕まるなら、最後に氷鷹北斗に会ってみたかったなぁ……
イケメンだった……
疲れから、少しずつ体が重くなっていく。
私は眠りについてしまったのだった。
「ままぁ〜あの人誰ー?」
「こら!いちいち通行人を気にしないの!すみませんね〜」
「あ、いえ……」
ここは、私の家じゃない。
氷鷹北斗に会うという奇跡的な体験をしたあと、私はタクシーに乗って自分の家の住所まで来た。
もしかしたら、もともとあんさんぶるスターズと私の世界は繋がっていたのではないか?という希望が捨てきれなかったからだ。
幸運なことに、手ぶらだったけどポケットに財布は入っていた。
お金も普通に使えたし、やっぱりここは私の世界で、夢ノ咲学院があったのはたまたまだったんだと安堵した。なのに……
私の家があるはずの場所には、知らない家が建っていた。
私の家は、どこに行ってしまった?
……信じたくなかったし、信じられなかったけど……
もしかしてここは本当に、あんさんぶるスターズの世界なのでは?
だってそうだ。家がいきなりなくなるなんてことある訳が無い。
どうしよう、家がない。家族もない。友達もない。何もない。
突然の事で頭が追いつかないが、不安はどんどん煽られ、涙が浮かんでくる。
いつか、推しに会えるなら死んでもいい〜なんて言っていたけど…ここに私の最推しは居ない。
いや、そんな話をしてる訳じゃなくて……
さすがに本気で2次元に来れるなんて思ってなかった。
何が起きてるんだろう。
財布を見ると、まだ夢ノ咲学院に戻るくらいのお金は入っていた。
目覚めたのが夢ノ咲学院なら、きっと帰れるのも夢ノ咲学院からだ。
戻るよりほかに道はないだろう……
私は再びタクシーをとめ、夢ノ咲学院へ向かった。
夢ノ咲学院に着いた頃には外はすっかり真っ暗で、焦燥感も募っていく。
「じゃーまた明日レッスンでな!」
聞き覚えのある良い声が聞こえてきて、私は思わず木陰に身を隠す。
「あぁ。また明日」
「うん、まったね〜」
「うん!よし、行こうかあんずちゃん!」
「ありがとう。みんなまた明日ね」
どうやらTrickstarが帰宅したようだ。
隠れないで声をかけるべきだっただろうか?
でも今はとりあえず帰りたい。
安心できる人に会いたい。
貴重な経験なのはわかる。わかるけど、こんな怖いの耐えられない。
私は保健室へと歩みを進めた。
夢ノ咲学院の中には案外簡単に入れた。
まだ校舎自体の施錠はされていないわけだから、人に見つかる可能性も高いわけだけど……
今はとにかく人より幽霊が怖い。
夢ノ咲学院は立派な校舎だけど、その分足音が響く。
なんだか後ろから人が来ているような気分になる。
保健室を探し回っていると、「生徒会室」と書いてある部屋を見つけた。
生徒会室のドアは少し空いていて、光が漏れている。
隙間から中を覗いてみると、眼鏡をかけたイケメンがいた。
……知ってる。蓮巳敬人だ。
確か…紅月のメンバーで、夢ノ咲学院の副会長。
イケメンだけど、眉間にすごくシワが寄っている。
「……誰だ」
「ひっ……」
突然蓮巳敬人が声を出すから思わず悲鳴をあげてしまった。
「入ってこい。不法侵入か?」
「ち、違います……」
「入れ。話は中で聞く」
なんだろう、これはきっと言う通りにしてはいけない。
言う通りにしたらお縄につくことになってしまうような……?
「ご、ごめんなさい!」
私はダッシュした。
怖い!怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!!
さっき幽霊が怖いって言ったけど、人も十分怖かった。
私が駆け出してから数秒後、バンッという扉を開ける音とともに、蓮巳敬人が追ってくるのが足音で分かった。
ちょ、ちょっと待って怖い怖い怖い怖い!!!
本気で怖い!
全力疾走し、適当な教室に入った。
なんとか蓮巳敬人はまけたようだ。
「こ、こわかった〜〜……ん?」
目の前に、棺桶がある。
なぜ、学校に棺桶が。
辺りを見渡すと、どうやらここは軽音部の部室らしい。
……嫌な予感がする。
そう思った瞬間、棺桶の蓋がズレた。
「……誰じゃ?」
……知ってる、この人。
朔間零…確か、UNDEAD……の人。
「…おや、初めて見る嬢ちゃんじゃのう。血を吸われに来たのかえ?」
「…は、は?」
そうだこの人、吸血鬼キャラだ。
「……最近血に飢えておったからなぁ。ちょうど良かったわい。嬢ちゃん、お主に頼みたいことがあるんじゃが」
「ご、ごめんなさい!」
私は教室を出た。
なんだ、この学校は……!
私は保健室への道が結局分からず、とりあえず安全そうなどこかの教室に潜むことにした。
校内をこれ以上歩くのは心と体が持たない。
もうどうにでもなれ……私の人生は終わった。
日が昇ればたくさん生徒が登校して、私に驚いて通報するんだ。
多くの人が愛するあんさんぶるスターズの世界にいるのに、私は特にキャラと仲良くなるわけでもなく、通報され、捕まり、あんさんぶるスターズ内の刑務所に入るんだ。
なんて悲しい人生……
どうせ捕まるなら、最後に氷鷹北斗に会ってみたかったなぁ……
イケメンだった……
疲れから、少しずつ体が重くなっていく。
私は眠りについてしまったのだった。