君の視線はいつだって
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私の高校二年生の夏は40度前後の猛暑日が続いていた。
毎日のように見かける熱中症対策を促す特番や、行列の出来るかき氷店の特集……
夏らしいといえば夏らしいのだけど、正直うんざりしていた。
私は遊びに行きたいんだ。
暑くて外に出ないほうがいいなんてニュースで警告されてばかりで…
まぁ漫画とゲームやってれば楽しいからいいけど…こんな夏休みを過ごすなんてどうよ?高校二年生の女子高生としてどうなのよ?
そんなふうに思っていたら、友達からメッセージが届いた。
『榊原〜!来週の月曜ヒマ?』
彼女は私のオタク仲間、とでもいうのだろうか。
高校で出会い、趣味の系統が似ているため仲良くなった。
私は基本的に逆ハーが好きで、彼女は基本的に商業BLが好き。
彼女は二次創作BLも好きらしいが、NL好きな私に気を使ってか、あまり二次創作物の話はしない。
『来週の月曜?暇だけど』
確か、彼女の好きなアニメの円盤がこの前発売されていた。
きっとそれの上映会でもやるのだろうと思っていたのだけど……
送られてきたのは東京のとあるカラオケ店のリンクだった。
『あんスタのコラボルームがあるの!他に誘える人居ないし、お願い!榊原着いてきて〜!』
突然の誘いだったけど、やることも無かったし、そのカラオケの近くに行きたいオンリーショップもあった。
私は彼女の誘いを受けることにした。
そして1週間が経ち、友達との待ち合わせ場所に着いた。
「あ、榊原〜!おはよー!」
「おはよ〜」
「今日はありがとうね〜」
「別にいいけど、ちゃんとカラオケのあとオンリーショップに着いてきてよ〜?」
「もちのろんよ!」
2人でカラオケ店に向かう。
あんさんぶるスターズ……
過去に1度インストールしたけど、忙しくてあまり開けず消したきりだ。
キャラはなんとなくしか分からない。
新キャラなんてさっぱりだ。
コラボルームに入ると、なんとも懐かしい気持ちになる。
「うっわぁ……懐かし……」
「そういや、あんスタ入れてる時の榊原の推しって誰だったの?」
「うーん……推しってほど推しては無かったけど、北斗くんかなあ」
氷鷹北斗。あんスタの中でストーリーの軸となるユニット、Trickstarのリーダーを務めるクールで知的なキャラ。
何より見た目が好きだった。
「あ、そうなの?知らなかった〜」
「まぁ、あんたと会う前にやめてたしねぇ……」
「コラボドリンク!コラボドリンク頼も!」
「え、会話に脈絡無さすぎでしょ」
笑いながら、メニューを見る。
コラボドリンク1つにつき、ランダムでコースターがつくらしい。
「ドリンク代私出すから、榊原は飲むの協力してね」
「えぇ……わ、わかった……」
三時間以内に、推しを出すことがミッション。
歌いながらも、ドリンクを頼み続けるが、一向に彼女の推しは出ない。
「な、なんで……なんで来ない
……」
「北斗くん5枚、真くん4枚、スバルくん1枚、真緒くん2枚、レオくん2枚___」
「あぁ!やめて〜!数え上げないで〜!は……まって私……1体何枚分お金出したの……まって……何枚分……」
ざっと見ただけで30はあるだろう……
ドリンクは1杯500円の安いものを頼んでいたとはいえ、これだけの数になると……相当な金額が……
可哀想な友達に向けて合掌する。
「うぅ……お腹痛くなってきた……」
「こんだけ冷たいの飲んでたら痛くなるよね……トイレ行ってきなよ……」
友達はこくんと頷き、失意のまま部屋を後にした。
取り残された私はコースターを眺める。
可哀想だし、Trickstarの分位は私がお金負担してあげようかな……
12枚だから……6000円……?
え……ちょっときついかも……
オタクの財布はいつもカツカツなのである……どうしたものか……
北斗くんだけだと2500円か。
彼女は私に気を使ってあまり二次創作物の話をしてこない。
今日だって私にドリンク代を払わせようとはしなかった。
彼女と私の趣味は少し違うのに、仲良く出来ているのは彼女が良識的な人だからだと思う。
そんな友達が苦しんでいる……
2500円くらいなら出してあげたくなった。
カツカツだけど……カツカツだけど……!
私は北斗くんのコースターを5枚手に取った。すると、何故か真くんのコースターにも目が行った。
「……?」
前やってた時そんなに気にならなかったんだけど、結構見た目好きかもしんない。メガネキャラ一時期ハマってたからかなぁ……なんて思い、真くんのコースターも1枚手に取る。
それにしても、遅い……
トイレ行ったまま帰ってこない友達が心配になる。
泣いてるのではないか?
そう思い立ち上がった時、部屋の電気が消え、暗闇に包まれる。
「え!?っ、いったぁ!」
びっくりして机に足をぶつけてしまった。
何?停電?
お店のアナウンスが流れてくるのを待つが、一向に流れてこない。
じゃあ部屋の電球が切れただけ?
お店の人に言いに行こうとドアに向かって歩き出した時、さっきまで消えていたテレビがパッとついた。
「わっ……」
テレビには何が流れるわけでもなく、白い画面がついていただけだった。
私はなんだか怖くなり、ドアに手をかけた。
毎日のように見かける熱中症対策を促す特番や、行列の出来るかき氷店の特集……
夏らしいといえば夏らしいのだけど、正直うんざりしていた。
私は遊びに行きたいんだ。
暑くて外に出ないほうがいいなんてニュースで警告されてばかりで…
まぁ漫画とゲームやってれば楽しいからいいけど…こんな夏休みを過ごすなんてどうよ?高校二年生の女子高生としてどうなのよ?
そんなふうに思っていたら、友達からメッセージが届いた。
『榊原〜!来週の月曜ヒマ?』
彼女は私のオタク仲間、とでもいうのだろうか。
高校で出会い、趣味の系統が似ているため仲良くなった。
私は基本的に逆ハーが好きで、彼女は基本的に商業BLが好き。
彼女は二次創作BLも好きらしいが、NL好きな私に気を使ってか、あまり二次創作物の話はしない。
『来週の月曜?暇だけど』
確か、彼女の好きなアニメの円盤がこの前発売されていた。
きっとそれの上映会でもやるのだろうと思っていたのだけど……
送られてきたのは東京のとあるカラオケ店のリンクだった。
『あんスタのコラボルームがあるの!他に誘える人居ないし、お願い!榊原着いてきて〜!』
突然の誘いだったけど、やることも無かったし、そのカラオケの近くに行きたいオンリーショップもあった。
私は彼女の誘いを受けることにした。
そして1週間が経ち、友達との待ち合わせ場所に着いた。
「あ、榊原〜!おはよー!」
「おはよ〜」
「今日はありがとうね〜」
「別にいいけど、ちゃんとカラオケのあとオンリーショップに着いてきてよ〜?」
「もちのろんよ!」
2人でカラオケ店に向かう。
あんさんぶるスターズ……
過去に1度インストールしたけど、忙しくてあまり開けず消したきりだ。
キャラはなんとなくしか分からない。
新キャラなんてさっぱりだ。
コラボルームに入ると、なんとも懐かしい気持ちになる。
「うっわぁ……懐かし……」
「そういや、あんスタ入れてる時の榊原の推しって誰だったの?」
「うーん……推しってほど推しては無かったけど、北斗くんかなあ」
氷鷹北斗。あんスタの中でストーリーの軸となるユニット、Trickstarのリーダーを務めるクールで知的なキャラ。
何より見た目が好きだった。
「あ、そうなの?知らなかった〜」
「まぁ、あんたと会う前にやめてたしねぇ……」
「コラボドリンク!コラボドリンク頼も!」
「え、会話に脈絡無さすぎでしょ」
笑いながら、メニューを見る。
コラボドリンク1つにつき、ランダムでコースターがつくらしい。
「ドリンク代私出すから、榊原は飲むの協力してね」
「えぇ……わ、わかった……」
三時間以内に、推しを出すことがミッション。
歌いながらも、ドリンクを頼み続けるが、一向に彼女の推しは出ない。
「な、なんで……なんで来ない
……」
「北斗くん5枚、真くん4枚、スバルくん1枚、真緒くん2枚、レオくん2枚___」
「あぁ!やめて〜!数え上げないで〜!は……まって私……1体何枚分お金出したの……まって……何枚分……」
ざっと見ただけで30はあるだろう……
ドリンクは1杯500円の安いものを頼んでいたとはいえ、これだけの数になると……相当な金額が……
可哀想な友達に向けて合掌する。
「うぅ……お腹痛くなってきた……」
「こんだけ冷たいの飲んでたら痛くなるよね……トイレ行ってきなよ……」
友達はこくんと頷き、失意のまま部屋を後にした。
取り残された私はコースターを眺める。
可哀想だし、Trickstarの分位は私がお金負担してあげようかな……
12枚だから……6000円……?
え……ちょっときついかも……
オタクの財布はいつもカツカツなのである……どうしたものか……
北斗くんだけだと2500円か。
彼女は私に気を使ってあまり二次創作物の話をしてこない。
今日だって私にドリンク代を払わせようとはしなかった。
彼女と私の趣味は少し違うのに、仲良く出来ているのは彼女が良識的な人だからだと思う。
そんな友達が苦しんでいる……
2500円くらいなら出してあげたくなった。
カツカツだけど……カツカツだけど……!
私は北斗くんのコースターを5枚手に取った。すると、何故か真くんのコースターにも目が行った。
「……?」
前やってた時そんなに気にならなかったんだけど、結構見た目好きかもしんない。メガネキャラ一時期ハマってたからかなぁ……なんて思い、真くんのコースターも1枚手に取る。
それにしても、遅い……
トイレ行ったまま帰ってこない友達が心配になる。
泣いてるのではないか?
そう思い立ち上がった時、部屋の電気が消え、暗闇に包まれる。
「え!?っ、いったぁ!」
びっくりして机に足をぶつけてしまった。
何?停電?
お店のアナウンスが流れてくるのを待つが、一向に流れてこない。
じゃあ部屋の電球が切れただけ?
お店の人に言いに行こうとドアに向かって歩き出した時、さっきまで消えていたテレビがパッとついた。
「わっ……」
テレビには何が流れるわけでもなく、白い画面がついていただけだった。
私はなんだか怖くなり、ドアに手をかけた。
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