リレー小説

続き

2024/11/28 15:41
とまる君作 「HUNTERXHUNTER」


レオリオが騒いでいるとき、クラピカはそこにはいなかった。彼は、ここがどんな島なのかを把握するために、木々の密生するエリアを散策していた。
この島に流れ着いたとき、クラピカは、レオリオとは少し離れたところで目を覚ました。そのため、彼がゆかいな形で砂浜に埋まっているのを、見つけることができなかった。
ふむこの果物は、とか、こういった木が生えるということは、このあたりの気候は一年を通してこんな風だなとか、頭のいい彼らしく、とりあえず、周辺の環境を把握することに尽力していた。

その間も、レオリオは砂の中で声を上げ続ける。そのそばを通ったとき、クラピカの耳に、こもった声が届いた。
クラピカは、木々の間から砂浜のあたりに目を向ける。
と――、

真っ白にかがやく砂の中から、レオリオの下半身が空に向かって生えている。あんまり動くので、足先だけで、奇妙なダンスを踊っているように見える。
クラピカはヒクッと顔を引きつらせると、そのまま立ち去ろうとした。
しかし、彼の気配に気づいたレオリオが、また「だぁれか~~!」と騒ぎ出したので、観念して近寄った。

「ふむ……、この角度で埋まっているということは、我々が飛んできた方角は恐らくあちらで、その強さは……」
砂に埋まっている仲間を前に、冷静に分析を始めるクラピカ。
その声に気づいたレオリオは「テメ、クラピカか。いいから助けろや……」とくぐもった声を出した。

それから数分。エンヤコラヤと助け出されたレオリオはいたく不機嫌で、口から砂を吐きながら、ブツブツ言っていた。
「……ったく、フツー目の前に仲間が埋まってんのに分析始めるかァ? まず助けてからだろ、そーゆーのはよォ」
いやすまない、とクラピカは笑いながら返す。
「君ならそれくらいの状況で死ぬことはないと思ってな。なによりも、ハンター試験からこっち、あまりに不幸な目に遭うものだから、いちいち助けるもの面ど……、オホン、いや、君が無事でよかったよ、レオリオ」
「テメー、それでごまかしてるつもりなら出来てねえからな」
頭でっかちな奴はこれだから、とレオリオは、シャツについた砂を払っている。

するとクラピカは、あたりを見渡して「そういえば、ゴンとキルアはどこに行ったのだろうな。彼らもここに流れ着いているといいのだが……」と言った。

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