Cookie
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―― ガレット・ブルトンヌ――
わけも分からぬまま、一生外観だけを見て過ごすと思っていた、クッキータウンの郊外?に聳え立つ、ビスケット大臣邸にお邪魔することになった。訳分からん。
豪華な門を抜け、クラッカー(クッキーって、いい加減しつこいし)サイズの大きな扉をくぐると、思った通りの豪華なホールが姿を現した。大きなシャンデリアに、フカフカの赤絨毯…!これぞ、The金持ち(偏見)の邸宅!!
「おかえりなさい、クラッカーさま!!」
と口々に挨拶するホーミーズを私には関係ないので無視(クラッカーは適当に返事してたが)しつつ、案内された…多分客間の椅子に――高ぇわ!!椅子が高ぇわ!!!秒で登るの諦めたくらいに高い椅子に高い机を見上げていると、クラッカーが部屋のソファーのクッションをこんもりと椅子に積み上げ…サッと私の両脇に手を入れて積み上げたクッションの上に乗せられた。
「よし」
驚いてポカンと口を開けている間に、何故か至極満足そうな表情のクラッカーが正面の椅子に腰掛けた。ジャストサイズ。
「え、いや…え?」
動けば高く積み上げたクッションが揺れに揺れるので、己の持てるインナーマッスルを総動員してバランスをとって…机にしがみついた。…怖ぇよ。
「あー。
…実はおれ、クラッカーが本名なんだよ」
「そんなことより…なんで私こんな不安定な所に座らせられてるのかな??」
これ、落ちたら相当痛いぞ…!とぷんぷん怒ると、クラッカー(やっと堂々と名前呼べます、ありがとうございました)が、ヤバいものを見たような目で見てきたので遺憾の意。
「そんなことよりって…ハハ……。
そうだな、おまえはそんなヤツだったな」
左手で机にしがみつき、右掌で机を叩いて静かに?抗議すると、私の講義が効いたのか、立ち上がったクラッカーに再び持ち上げられ、今度は……クラッカーの膝の上。――は???
そしてあまつさえ、私を抱きしめたとな??
「なっ、なにゆえ!?」
「…これなら安心だろ」
どういうことなの??と内心クエッションマークがリンボーダンスを始めた頃に、部屋のドアがノックされた。
「入れ」
偉そうな(実際偉いけど)クラッカーの声を合図に、次々とサービスワゴン?(inホーミーズ)が入ってきた。…いや待て待て待て、このお膝抱っこ?状態を他人様に見せちまって大丈夫なのか?相手ホーミーズだけど!人ですらないけども!!でも、メッチャこっちみてくるやん!!?
「おれの家のシェフに作らせた昼食だ
食べていってくれよ」
「え、膝の上で?」
「…膝の上で」
ドン引きの表情でホーミーズを見ていた顔を、そのままクラッカーに向けると、一瞬目を見開いた後、クラッカーが大爆笑し始めた。お陰様で尻の下のクッション(クラッカー)も、背もたれ(クラッカー)も…揺れる揺れる。
爆笑を見てても仕方ないので、顔を正面の机の方へと向けると、踊るように皿が机の上に並び(どこの美女と野獣だ?)、食べて♡と、皿がこちらを見てる(食べにくいわ!)。