Cookie
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―― ビスキュイ ――
そんなこんなで、約束の明々後日がやってきた。
待ち合わせは私の店で、待ち合わせ時間は11時。積もる話はあるだろうけども、クラッカー(偽名はクッキー)が私に話せる内容なんてたかが知れてるのでは?と思いつつ、店の奥でもう少し時間があるので、茶を入れた。珍しくも入手できたグリーンティー、正しく茶だ。あぁ、あまじょっぱい醤油味の煎餅が食べたい…。いっそ作るしかないのか…?なんて思いながら茶を啜っていると、ドアベルが鳴り、私の名前を呼ぶ声ってか、クラッカー(クッキー)の声がした。
「居るよー!」
と、その場から表の店先の方へと叫ぶと、私の声を聞き付けたクラッカー(クッキー)がこちらへやって来たらしく、顔をのぞかせた。とはいえ、この店は私サイズの家なので、どちゃくそ狭そうである。
「おまえ、居るよって返事はねぇよ…」
何とか壊さずに部屋に入ってきたクラッカー(略)は、私の目の前に回り込み…椅子なんて私が使っている一脚しかないので、机に頬杖をついて屈み込んで私の顔を覗き込むように見てくる。うむ、今日も良き顔である。そう思って真顔でクラッカー(略)を見返すと…パッポー。と、鳩時計が鳴き始める。
「あら、丁度時間みたいね」
クラッカー(略)がなにか言いたそうな表情をした気がするけれど、まるっと無視して立ち上がり、丁度飲み終わったカップを備え付けの小さな流しに付けておく。戻ってきた時に洗おう。
「で、どこに連れていってくれるの?」
くるりと振り向くと、まだ机に頬杖をついたままのクラッカー(略)が拗ねた顔で口を開いた。
「おれの屋敷だ」
…YASHIKI? What??