2月4日
夢小説設定
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「さむ…」
換気の効いた部屋でおなまーえは身震いをした。
まだ濡れている髪から体温が奪われていく。
「ランサーもお風呂入ったら?」
「あのなぁ、嬢ちゃん。別に文句はねぇけどよ、なんでここを選んだんだ?」
「手頃で安かったから」
「そらそうだろうよ。だってラブホだもんな。」
「い、言わなくていいでしょ!」
――間。
「反省会!」
「お、おう」
おなまーえとランサーは向かい合って正座した。
ランサーはあぐらをかいていたが、おなまーえが無理やり正座させたのだ。
「まずキャスターが倒れたと勝手に思い込んでいたこと、これが一番ダメだった」
「ああ、そうだな。オレもちと忘れてた。」
「キャスターは柳洞寺に陣をとってる。マスターは不明。でも現在新都で起きているガス爆発は十中八九彼女の仕業。」
反省会ついでに、現在わかっている情報を整理する。
セイバーのマスターは衛宮士郎。
彼は基本的に衛宮邸か学校にいる。
サーヴァントは見えない剣で真名を隠している。
立ち振る舞いから、騎士の類ではないかと推測される。
アーチャーのマスターは遠坂凛。
彼女は割と神出鬼没だ。
あちこちに出かけているが、最近衛宮邸への出入りが多い。
サーヴァントはアーチャーらしからぬ短剣を所持。
その短剣は砕いても砕いても無限に現れた。
ランサー曰く、二刀流の弓兵には心当たりが無いという。
バーサーカーのマスターはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
2人は郊外の城に居を構えていて、付近の森には全てトラップが仕掛けられている。
サーヴァントはギリシャ神話の大英雄、ヘラクレス。
12の試練を乗り越えたその体は、12回殺されないと滅びない。
ライダー、アサシンはマスターも存在事態も共に不明。
現界はしているのだろうが、まだ出会ったことがない。
「――とまぁ、こんな感じかな」
「マスターが判明してる3騎とキャスター以外はなんの情報もねぇな」
「一応手がかりはあるんだけどね……ほら、学校の呪刻。あれはキャスターでもアーチャーでもなかった。残りの2騎は論外として、まぁそうすると、ライダーかアサシンの仕業ってことになる。」
「わざわざあの学校ピンポイントで狙ってるあたり、マスターはあそこの生徒か教師だったりしてな」
「まさか。仮にそうだとしたら、そのマスターはとんでもない愚か者だよ。自分の所属を公開しているようなもんじゃない。」
「だよな」
2人は顔を見合わせて笑った。
「で、本題」
「おう」
「そろそろ誰か一騎くらいちゃんと倒しておきたいと思うの」
「そうだな」
おなまーえはメモを1つ1つ指差していく。
「ランサーがとどめをさせるのは今4騎」
言峰に言われるがままかけた令呪のせいで、ランサーは一度戦った相手しか倒せない状態だ。
「まずアーチャー。サーヴァント性能なら十分ランサーが上なんだけど、残念なことにマスター性能が私の方が劣ってる。」
「自覚はしてたのか」
「悔しいけど、事実だもん。まぁ魔力量なら負けないけど。」
遠坂家の魔術刻印をしっかりと受け継いでいる遠坂凛は、幼少期からその扱いに慣れてきているだろう。
独学かつ付け焼き刃のおなまーえでは彼女には敵わない。
アーチャーの項目にバツ印をつける。
「バーサーカーはまずあの城から出てこない限りは不利」
「ああ。地形ってのはでかい。奴らそれこそ最後の一騎まであそこから出てこないつもりだぞ。」
工夫次第ではあの強靭な相手に一太刀浴びさせられるかもしれないが、あの城から出てきてもらわない限りはほぼ不可能だ。
「いずれは克服しなきゃならないけど、今はダメだね。あの宝具の対策もしなきゃいけないし。」
「あー、そのことだけどよ」
ランサーがぽりぽりと頭の後ろをかいた。
「突破できるぜ、あの宝具」
「え?本当?」
おなまーえは食い気味にランサーに詰め寄る。