プールに沈む死体
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プールに沈む死体
「暇」
おなまーえは1人簡素な部屋で仰向けになりぼーっとしていた。天井のシミの数はもう10回以上数えた。いい加減に飽きてきた頃だ。
彼女は20歳の頃からずっと公安にその身を捧げてきた。なのでこれといって目立つような趣味はなく、一緒に遊ぶ友人がいるわけでもない。
「………散歩しよ」
おなまーえは薄い上着を羽織って外に出た。彼女の心に反し、空は眩しいくらいの快晴。帽子も持って来ればよかったと少し後悔する。
彼女の足は米花町へと向かっていった。
「……来ちゃった…………」
道路の反対側の店の中では、自分に休暇を言い渡した上司がせっせと接客している。そっと建物の陰から店を見るおなまーえは完全に不審者だった。
「何してんの?おなまーえさん」
ギクッ
驚いて声のかけられた方を見る。ここ数日お世話になったコナン少年がそこにいた。
「えっと、その……」
「安室さんなら中にいるよ?」
「いや、今は会えないかなぁ。休暇という名の謹慎もらっちゃったから。」
「………あ、そうだ。ちょっと待っててよ。」
コナン少年はおなまーえに待つように指示し、道を渡り毛利探偵事務所に入っていった。
「………どうしたんだろう」
****
「おなまーえさん、安室さんと喧嘩したの!?」
数分経って事務所から出て来たのは毛利蘭と鈴木園子とコナンだった。若干勢いに押されたおなまーえは後ずさりしながら答える。
「え、まぁ………でも私が悪いし……」
「あの安室さんが、一体どうして……」
「そんな悪い男には見えなかったけど……」
「あはは……」
蘭と園子の中では、おなまーえと安室が喧嘩していて仲直りのタイミングを見失っているという設定になっているようだ。一体この少年はどんな説明の仕方をしたのだろう。
「おなまーえさん、この後予定ありますか?」
「いえ、何もないです。」
「その、私たちこれからプール行くんです。よければおなまーえさんも行きませんか?」
「え?私行っていいの?」
「大丈夫ですよ、男なんていませんから、女子会しましょ!」
蘭が誘ってくれ、園子もノリノリで声をかけてくれる。
「いやぁ、でも……」
(17歳のぴちぴちの肌の隣には立ちたくないかもしれないなぁ……)
おなまーえは2人よりも6歳年上。気まずそうに頬をかき、コナン少年に助けを求める。
「いいんじゃない?おなまーえさんも行こうよ。」
しかし彼も味方はしてくれなかった。
「あー…………んじゃあ私も行こっかなー……」
「やったー!」
「2人ともありがとう」
おそらく彼女たちはおなまーえが落ち込んでいることを見抜き、気分転換に誘ってくれたのだろう。その気遣いは素直にありがたかった。
一方、ポアロの店内では。
「安室さん?どうしたんですか?」
時折外を見る安室透の姿があった。彼の目に映るのは、道路の反対側で困ったような顔をしながらも楽しそうに談笑するおなまーえの姿。
「いえ、なんでもないです」
彼はそれを複雑な表情で見ていたが、首を振って作業に戻った。