最後のピース
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最後のピース
「澁谷夏子?………誰、それ」
おなまーえは安室の携帯の写真を見て問いかけた。渋谷夏子の名前で脳内検索をかけたが、ヒットする単語は見つからず、彼女は自身の知らない人物だろうと判断する。
「ベルモットと同じ反応ですね」
「……なんかちょっと悔しい」
「はは、すみません。彼女は僕のクライアントですよ。探偵・安室のね。」
「なるほど……」
聞くに彼女は昨夜階段から転がり落ちて意識不明の重体だそうだ。
「それで、探偵稼業をするために、わざわざベルモットを呼んだわけじゃないですよね」
「まぁね」
彼女はFBI捜査官のジョディという人物の友人らしい。FBIについては残念ながらおなまーえは詳細を調べていなかった。今度赤井に聞いてみようと心の中でひっそりと考える。
バーボン、いや降谷零が求めている情報は赤井の安否と所在地。おなまーえがそれを知っていると彼にバレたらクビでは済まなさそうだ。しかしコナンには一度命を救われている分、言わないという約束はきっちり守る。ただし言いはしないが、隠蔽に協力するとも言ってはいない。彼女はその辺りはきっちりと区別していた。
「楠田陸道について、おそらくFBIの間では情報共有されていると思うので、聞きやすそうな人にターゲットを絞ってベルモットが聞き出す算段です。」
「私は?」
「カルーアにはハニートラップをお願いします」
「……バーボンからなんて、珍しい」
「と言っても誘って危機感を与えるだけですけどね」
安室とおなまーえが楠田陸道について探りを入れ、ジョディの姿をしたベルモットがそれを助けにくる。彼曰く人間危機が去って油断すると口が開きやすくなるので、そこで聞き出すという作戦。なかなかえげつない事をする。
(口を割らないように頑張ってね、FBIさん)
おなまーえは心の中でターゲットのFBI捜査官にエールを送った。
「そういえば、おなまーえさんはFBIについてどう思ってるんですか。」
「私ですか?」
わざわざおなまーえさんと言ったということは、公安部としてどう思うかという話だ。正直彼ほど嫌悪感を抱いているわけでもなければ、好意的であるわけでもない。だからどう思っているかと聞かれるのは少し困った。
「うーん、別になんとも………」
(あ、でも赤井さんはキレる男だと思う)
おなまーえは言葉にはしなかった。