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第3章・君のとなりに4

『理苑が祥太郎の家で倒れてる。実家に帰れないと言うから、ひとまず僕が看てるけど、早く帰ってきてくれ』

何だか直輝らしからぬ怪しげなメールだったが、ひとまず帰路についた。

家は電気がついていた。

「……理苑?」

玄関のドアを開けながら声をかけると、室内から伸びてきた長い腕に抱き締められていた。

やっぱり直輝のメールはデマだった。

多分、祥太郎を家に帰らせるキッカケを作る為だけのメールだ。

「祥太郎!祥太郎!何もされてないか?」

「……大丈夫や」

「ホンマか?ホンっマに!何もされてないか?」

「キスされたけど、舌噛んで、股間蹴って逃げてきた」

「…………あの変態野郎……。やっぱりブッ殺してやる」

「やめとき。あの人、柔道の有段者やで。俺、奇跡の生還やってん」

ああ……と、心の底から安心した吐息を吐き、改めて祥太郎を優しく抱き締めた。

「祥太郎、ホンマゴメンな。ちゃんと話したい。オレの話、聞いて?」

「俺もゴメン。あの人、お前が言う通りホンマに変態やった。お前を信じひん俺が悪かった。俺もちゃんと話したい」

祥太郎は理苑の首に手を回し、その顔を引き寄せて自分からキスをした。
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