第3章・君のとなりに4
理苑は箸をガリガリとかじっていた。
「オイ!それ、僕ん家の箸やから!塗り箸やし!噛むんやったら、割り箸にして。てか、何をイライラしてるねん」
直輝はうどんをズルズル吸いながら、理苑を睨んだ。
「祥太郎、今頃、あの変態野郎といてるんかな。チクショウ!会社に飲み屋の場所に襲撃したろか!」
「理苑、うどん、伸びるで。……祥ちゃん、今、その男といてるんか?」
「危ないって言うてるのに聞かへんねん!自分の危機に関して鈍すぎるわ!」
「……世の中に、お前みたいな物好き、他にもおったんやな……」
理苑は家で父親と殴り合いになって家出した後、余りにも腫れた顔を祥太郎に見せたくなくて、直輝の家に転がり込んだ。
何とか上手く誤魔化そうとしたが、父親にスマホを壊されて連絡の取りようもなかった。
直輝には世話になる手前、仕方なく件の話をせざる終えなかった。
直輝は「やっぱりか」と言って、理苑と祥太郎の事を別段、驚きもしなかった。
幼稚園からの理苑の執着を、一番理解しているのは直輝だったかも知れない。
バイトも、表のホール係の仕事は出来なくて、店長に頼んで裏方の仕事ばかりやらせてもらった。
大学は、学園祭の準備もあって休む訳にはいかず、あちこちで腫れた顔に関して質問責めに合った。
おまけに、直輝の家にいさせてもらう代わりに、直輝の嫌がる仕事『同窓会の幹事(代行)』もやるハメになり。
お陰で、他の幹事の高橋からは絡まれるわ、目が回る程忙しくなるわ、祥太郎に会えないわ、ケンカするわで散々だった。
「直輝が同窓会の幹事なんかやらすから、高橋なんぞが絡んで来るし」
「何や、あの女、まだお前の事、諦めてへんかったんか」
「こないだ幹事が集まった時、あんまりにもひつこいから、みんなの前で「触んな、ボケ。アホが移る」って言うたら、寄って来んようになったけど」
「最初からそう言うてたら良かったんや、アホ。でも、ま、怒る祥ちゃんってのは見てみたかったな。そんな姿、見た事ないしな」
「直輝は知らんやろけどな……。祥太郎、怒ったら火ィ着いたみたいに怒鳴るし、言う事に耳貸さんし、自分からゴメン、なんて絶対に言わんねんで……」
理苑は、うどんをぐるぐる混ぜながらぼやいた。
「ま、僕も祥ちゃんに何かあったら嫌やし。ここは、僕が根回ししてやるか」
「な、何して下さるんですか?直輝さん」
「お前、使えんねんもん。襲撃なんかしてどないするねん。警察のお世話になるつもりか!……頭、使えよ」
直輝はスマホを見て、メールを打ち出した。
「オイ!それ、僕ん家の箸やから!塗り箸やし!噛むんやったら、割り箸にして。てか、何をイライラしてるねん」
直輝はうどんをズルズル吸いながら、理苑を睨んだ。
「祥太郎、今頃、あの変態野郎といてるんかな。チクショウ!会社に飲み屋の場所に襲撃したろか!」
「理苑、うどん、伸びるで。……祥ちゃん、今、その男といてるんか?」
「危ないって言うてるのに聞かへんねん!自分の危機に関して鈍すぎるわ!」
「……世の中に、お前みたいな物好き、他にもおったんやな……」
理苑は家で父親と殴り合いになって家出した後、余りにも腫れた顔を祥太郎に見せたくなくて、直輝の家に転がり込んだ。
何とか上手く誤魔化そうとしたが、父親にスマホを壊されて連絡の取りようもなかった。
直輝には世話になる手前、仕方なく件の話をせざる終えなかった。
直輝は「やっぱりか」と言って、理苑と祥太郎の事を別段、驚きもしなかった。
幼稚園からの理苑の執着を、一番理解しているのは直輝だったかも知れない。
バイトも、表のホール係の仕事は出来なくて、店長に頼んで裏方の仕事ばかりやらせてもらった。
大学は、学園祭の準備もあって休む訳にはいかず、あちこちで腫れた顔に関して質問責めに合った。
おまけに、直輝の家にいさせてもらう代わりに、直輝の嫌がる仕事『同窓会の幹事(代行)』もやるハメになり。
お陰で、他の幹事の高橋からは絡まれるわ、目が回る程忙しくなるわ、祥太郎に会えないわ、ケンカするわで散々だった。
「直輝が同窓会の幹事なんかやらすから、高橋なんぞが絡んで来るし」
「何や、あの女、まだお前の事、諦めてへんかったんか」
「こないだ幹事が集まった時、あんまりにもひつこいから、みんなの前で「触んな、ボケ。アホが移る」って言うたら、寄って来んようになったけど」
「最初からそう言うてたら良かったんや、アホ。でも、ま、怒る祥ちゃんってのは見てみたかったな。そんな姿、見た事ないしな」
「直輝は知らんやろけどな……。祥太郎、怒ったら火ィ着いたみたいに怒鳴るし、言う事に耳貸さんし、自分からゴメン、なんて絶対に言わんねんで……」
理苑は、うどんをぐるぐる混ぜながらぼやいた。
「ま、僕も祥ちゃんに何かあったら嫌やし。ここは、僕が根回ししてやるか」
「な、何して下さるんですか?直輝さん」
「お前、使えんねんもん。襲撃なんかしてどないするねん。警察のお世話になるつもりか!……頭、使えよ」
直輝はスマホを見て、メールを打ち出した。