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第2章・君がいるだけで2

山のような荷物になったが、そのほとんどを祥太郎は持たせて貰えなかった。

帰りの電車では、申し訳無さすぎて何度も「俺も持つ」と言ったが、小さな部品のような軽い荷物以外、理苑は頑なに持たせようとしなかった。

「理苑、うちでご飯食べていって。今日はママに理苑のご飯も頼んであるから。オムライスやけど」

「わぁ!エエのん?オバチャンのオムライス、オレ、めっちゃ好きやねん」

「お前、ママにケチャップで書く文字まで指定してたな」

昔の理苑の密かな我が儘を思い出して、祥太郎は苦笑した。

「だって、オバチャン、オムライスの上にケチャップで字を書くん、めっちゃ上手いやん?オレ、オバチャンが書いた『阿呆』って文字、忘れられへん。アレ、オレの事やんな?」

「知らんがな。まぁ、うちのオカン、ちょっと変わってるからな」

「オバチャン、今日、何て書いてくれるんかな?写メ撮っとこう!」

そして、手が空いてる方の祥太郎が、家のインターフォンを押した。
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