第1章・君をいつの間にか5
月日の流れるのは、思うより早く。
祥太郎から連絡を貰えない理苑は、自分から家に押し掛ける勇気もなくて、忙しさも相まって、もう幾月も顔を合わせていなかった。
忙しいのは嘘ではなかったが、理苑の中で色んな気持ちが交差していて、それを誤魔化すように疎遠にしてしまっていたのは自分でも分かっている。
そんな中3のある日、近所の夏祭りに祥太郎が来ていたと人伝いに聞いた。
祥太郎は元気になったのか?
自分以外の誰と夏祭りに来ていたのか、知りたいのに知りたくないという矛盾したやきれなさで、押し潰されそうになった。
自分も夏祭りには行っていたのに、祥太郎とは出会わなかった。
部活の友達といたから、祥太郎は自分を見付けても遠慮したのかも知れない。
頬杖をつき、担任の話を右から左へ聞き流していた理苑だったが、担任の一言で現実に引き戻された。
「白木祥太郎くんが、明日から少ない時間ですが、学校に来られるようになりました。体調もまだ万全じゃないし、勉強も追い付いてないと思うけど、クラスのみんなで助けてあげるように」
祥太郎が学校に来る。
心臓に突然血が通い出して、バクバクと音を立てた。
直輝は知っているのだろうか。
だが、以前に祥太郎の近況を聞いて、険悪な雰囲気になったのもあって、今回は聞く気になれなかった。
祥太郎から連絡を貰えない理苑は、自分から家に押し掛ける勇気もなくて、忙しさも相まって、もう幾月も顔を合わせていなかった。
忙しいのは嘘ではなかったが、理苑の中で色んな気持ちが交差していて、それを誤魔化すように疎遠にしてしまっていたのは自分でも分かっている。
そんな中3のある日、近所の夏祭りに祥太郎が来ていたと人伝いに聞いた。
祥太郎は元気になったのか?
自分以外の誰と夏祭りに来ていたのか、知りたいのに知りたくないという矛盾したやきれなさで、押し潰されそうになった。
自分も夏祭りには行っていたのに、祥太郎とは出会わなかった。
部活の友達といたから、祥太郎は自分を見付けても遠慮したのかも知れない。
頬杖をつき、担任の話を右から左へ聞き流していた理苑だったが、担任の一言で現実に引き戻された。
「白木祥太郎くんが、明日から少ない時間ですが、学校に来られるようになりました。体調もまだ万全じゃないし、勉強も追い付いてないと思うけど、クラスのみんなで助けてあげるように」
祥太郎が学校に来る。
心臓に突然血が通い出して、バクバクと音を立てた。
直輝は知っているのだろうか。
だが、以前に祥太郎の近況を聞いて、険悪な雰囲気になったのもあって、今回は聞く気になれなかった。