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序章・出会い

なんや、コイツ。

集合写真は、オカンと離れて子供らだけで並ばんなアカンねんど!

ビービー、ビービー、泣きやがって。

お前がオカンから離れんから、写真のオッチャンがシャッター押されへんやん!

先生、助けへんのかい……なんや……新米かいな。

あ~!イライラするな!

「オイ!お前!これから写真撮るねんど!そんなに泣いとったら…………は、腫れた顔で、記念に残ってまうで!」

「イヤやぁ~!ママぁ~!」

あ!余計に泣き出した!

まるで、俺のせいみたいになったやないか!

コイツの隣にいるオバチャン……コイツのオカンかな?

「オバチャン……この子のオカン?」

「そやねんけど……。泣きやまんから、オバチャン、隣で一緒に写っても良い?」

「どうせ泣きやまんやん?オレおるから、オバチャンは後ろにおってエエで」

「ボク……同じ年やのに、めっちゃしっかりしてるね。……頼んでエエのん?」

「エエよ。そんで、この子の名前、なんて言うの?」

祥太郎しょうたろうって言うねん。これからも一年間、よろしくね」

「うん、分かった。オイ!しょうたろう!もう泣いててもエエから、前、見とけ。ちゃう、ちゃう、カメラのオッチャンの方や!」

オッチャンの方に無理矢理……向かせてっ……っと。

「オレ、『りおん』って言うねん。……泣くなや!オレ、おったるやん!ずっと隣におったるから」



初めて祥太郎と出会った時から『ずっと隣にいる』って、もう思っとった。

それは、そこ後も変わる事なく。
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