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第3章・昇華4

「アッシュ!やっと明日からコウジと遊べるんだよね!」

エレナイとアブドルは、目をキラキラさせて、アッシュにまとわり付いていた。

「残念ながら、明後日までは……色々ありますので、お会いになれません。そして、その後は2週間の新婚旅行ですので、遊べるのは更にその後ですね」

え~!っと、二人は不満の声を上げた。

「何でそんなにコウジ、忙しいの~?」

「御正室様になられたんですから、仕方ありません」

「じゃ、アッシュ、遊んでくれる?」

「私も新婚旅行に同行致しますので、ヴァリューカを離れます。ちなみにリエカ様もコウジ様に付いて廻られるので、申し訳ありませんが、お二人で遊んでて下さい」

「アッシュ!冷たい!何かヒドイ!」

エレナイはアッシュの太腿を殴った。

アブドルは、唇を尖らせて涙目になっていた。

「僕がコウジと結婚したら良かった……」

アブドルの呟きに、アッシュは微笑んだ。

アッシュの気持ちは、成就する事は永遠にない。

だがそれは、もう自らの中で崇高なものへと変化していて、その存在だけでも生きていく糧となった。

スウェイドに仕えると同様に、永遠に命を捧げる。

そんな存在に出会えて良かった。

アッシュは今改めて、側近としての至福を感じていた。
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