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雄英高校一般入試
おなまえは?
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朝起きれば、オールマイトさんからの置き手紙が置いてあった。
“いよいよ試験当日だね!私は緑谷少年にONE FOR ALLを継承してくる。見送りに間に合うように帰ってくるから待っていてくれたまえ!”
「…いや、パン焦げ過ぎ。」
広告の裏に書かれたメッセージと、お皿に乗った焦げが多めの食パン。
隣には同じく焦げが多めの目玉焼きとウィンナーがあり、その黒さに思わずクスクスと笑ってしまった。
「…ッし。いってきます。」
朝ごはんを食べ終えてから身支度をして、最後の忘れ物チェックをすればもう出発時間になってしまった。
恐らくオールマイトさんはまだ帰ってこない。
仕方ないか、とオールマイトさんからの広告手紙を鞄にしまい、代わりにとメモを走り書く。
“爆豪君と約束しているので早めに行きます。心配しないで見守っていてね。”
「(オールマイトさん置いていかれたって分かったら泣いちゃうかな…。)…ま、いっか。」
家にいないオールマイトさんが悪い、と笑って玄関をくぐる。
空は晴天、まだ肌寒いものの雪やら雨やらに降られるよりはマシだろう。
「んー…うん!受かる気しかしなーい!」
空に向かってそう叫んだらジョギングをしていたお兄さんにクスクスと笑われてしまった。
ドーンと大胆にそびえる雄英高校の校舎を見上げ、思わず感嘆の声が漏れる。
さすが天下の雄英高校だ。
校舎までもすごい迫力をしている。
「ていうかオシャレだよね、校舎がHEROの“H”の形してるとかセンスいいよね。」
「さっさと来いクソ名前!」
「え、スルー?」
相変わらずツンデレかよー、なんて笑いながらいつものようにスタスタと歩いていく爆豪君についていく。
なんだか今日はいつもよりピリピリしている。
爆豪君でも緊張とかするのか、もしかして。
それなら友達として励ましてあげよう、なんて考えて爆豪君の肩にポンと手を置いた時だった。
「どけデクッ!!」
「「!?」」
「か、かっちゃんッ…!」
「(び、ビックリしたよッ…!私が怒られたのかと思っちゃったよッ…!)」
「俺の前に立つな、殺すぞ。」
ビリビリっ…と感じた殺気に思わず固まる。
なるほど…爆豪君の緑谷君嫌いは聞いていたけど、まさかここまでとは思わなかった。
「ていうか迫力すっごいなぁ…。」
「あ、苗字さんッ…!?」
「あはは、おはよう緑谷君。朝からドンマイ。」
「は、ははは…。」
ズカズカと歩いていった爆豪君を見送りながら緑谷君に挨拶と励ましの言葉をかける。
朝ギリギリまで特訓していたのだろう、その顔には若干の疲れと困惑が見てとれた。
“あのONE FOR ALLが、この子の中にいる。”
そう考えるとなんだか少しワクワクして、なんだか少し寂しい気持ちになる。
だけど私が口を出す問題ではないから、と私は緑谷君に向かってニッコリと笑った。
「…大事に、使ってね。」
「あッ…う、うんッ!!」
「うん!」
“さっさと来いクソ名前ッ!!”
「は、はいはい!いきますよー!じゃあ緑谷君、お互い頑張ろうね!」
力強く頷いてくれた緑谷君にもう一度笑えば少し進んだ先から爆豪君が怒鳴る。
全く…本当に自己中心的なヒーローだ。
そう思いながら私は緑谷君に手を振って、そんな自己中心的ヒーローの元へと足を動かした。
「クソナードと何話してやがった。」
「え、あー…事件の時に会ったよねーって?」
「…そーかよ。」
「あ、もしかしてヤキモーーー。」
「あ゙ぁ!?」
「な、ナンデモナイデース…。」
そのキレ顔を見て、緑谷君絡みで爆豪君をからかうのはやめようと心に誓いました。
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