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未来のスーパーヒーロー
おなまえは?
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夏が終わり、少しずつ涼しさを取り戻し始めたある日の朝。
平日を終え、今日から2日間のお休みだとダラついていた私の携帯がブルルッと震えた。
“午後1時、例のコンビニ前。来ないと殺す。”
「これは最早、脅迫…。」
爆豪勝己君と思わぬ再会を果たしてから、たまにこうして連絡が来る。
最初こそ驚いてオロオロしていたものだが、今となってはこんな脅迫文にも慣れたもんだ。
「オールマイトさん、今日出かけてくるね。」
「!…また例の彼かい?」
「ん…飽きないよね、何回も何回も。」
「HAHAHA、それほど君のことを気に入ってるという事じゃないかな?」
「だったらいいんだけど…あれは単なる負けず嫌いな気がするよ。」
朝の新聞を読みながらコーヒーを飲むオールマイトさんの前に朝ご飯たちを手早く並べる。
この人は仕事となると自分の食事すらも疎かにするため、こういう時間がある時にしっかり食べてもらわねばならない。
TRUEフォームの顔色は相変わらずひどいし…心配する私の身にもなって欲しいものだ。
「オールマイトさんも今日は1日緑谷君?」
「あぁ、何事もなければそうなるかな。」
「ん…夜ご飯までには帰ってきてね。」
「分かっているさ。名前君も、何かあったらすぐに連絡するんだよ。」
「分かってるよ。」
爆豪君と知り合った事件から、スマホの充電を欠かすことはなくなった。
その方が便利だし、オールマイトさんが過度に心配することを避けるための対策でもある。
事件の時、もっと早く駆けつけられたら…と落ち込んだオールマイトさんを立ち直らせるのはなかなかに面倒くさかったし…。
出来れば二度と経験したくない。
「そういえば…校長先生から聞いたよ。推薦入試は受けないんだって?」
「あぁ、うん。」
「どうしてだい?」
「んー…なんか、なんとなく?」
「!」
「それに一般入試の方が緑谷君とも一緒に受けられるし、オールマイトさんも安心でしょ?」
本当は推薦入試は面接とかあって面倒くさそうだからというのが本音だ。
私は面接とか小論文とか苦手だし、筆記と実技の一般入試なら受かる自信しかないし。
「(それに…私が推薦入試で先に受かっちゃったら爆豪君が怒り狂いそうだしな…。)」
「名前君がいいならその意見を尊重するが…あまり無理はしないようにね。」
「ん、分かってる。」
「でも念の為に士傑高校の入試もーーー。」
「受けない受けない。」
「なら菓子折を持って雄英高校にーーー。」
「平和の象徴、オールマイトがどこぞの古狸みたいな事しないの!」
“本当に心配性だなぁ。” と呆れれば、オールマイトさんは眉を下げながら仕方ないじゃないかと笑う。
「5年前のあの時、名前君の両親に約束したんだ。必ず…君を幸せにすると。」
「!…だとしても心配し過ぎです。」
“それから、口の横にジャム付いてますよ。”
そう言って笑えば、オールマイトさんは少し目を見開いて…それから恥ずかしそうに微笑んだ。
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