011~015
玉結び
そのかたい繋ぎ目は
絆か
はたまた
呪いとなるか
ひとりっこ
いざ
走り出してみたら
どこへ行けばいいかわからず
うら庭のひかげにうずくまりました
いざ
うずくまってみたものの
何をすればいいかわからず
アリのぎょうれつを見つめました
たとえば
鳥になってあたらしい虹をこえたら
たとえば
魚になってむれに飛びこんだら
人知れず
へんしんしていると
ふしぎな色のなみだが
こぼれていきました
漆黒の闇
倒産したとき?
いじめられたとき?
親がしんだとき?
恋人に裏切られたとき?
四肢を失ったとき?
自分はこんなに醜かったのかと
気づいてしまったとき
忘却の彼方
どんなに大切だからって
全部かかえて歩いていくのは
難しいから
許しを乞う
人間だから。