001~005
パンチ
アスファルトの下
咲きたかった花は
たくさんあっただろうに
からっぽな頭で歩くわたしを
誰かおもいきり
ぶん殴ってください
退化
生きているだけで幸せ
なんて
言えるくらい
強く尊い
単細胞になりたい
咎
窓から差し込む
おだやかな光芒に
少し疲れてしまったよ
にくを
たべたからかもしれない
すべてがうちとける
海に行きたいな
でも波は
わたしを攫うだろうか
さいわいなみだ
雨で隠れた
わたしの想い
流れ
流され
もうわからない
空夢
静かなラジオの音と
やかんのなかで踊る
お湯の気配
誰かが経木の納豆を混ぜて
誰かが新聞をめくっている
僕は布団にもぐり
身体を丸め
瞼をきつく閉じた
あまりにも平和で
形のないそれを
抱き込みたかった