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第19章

「…………」
水晶で様子を見ていた天奏は溜息をついた。
「……光鈴の力を取り戻させて、救えたのはいいけれど、これじゃあ麗玲に付け入る隙を与えちゃってるじゃない 」
呟いて、映像を消す。
それから時間をおかずに、扉が叩かれる。
「……はい」
「……失礼します」
返事を返すと、凰呀が入ってきた。
「……何かしら? 」
「……一つ聞きたいことがありましてね」
そう言った凰呀の表情は固い。
「……以前、光鈴の転生者を神界に連れてきていた時、最後に奴と風使いを捕らえていたのはあなたでしたね」
「ええ」
「……だが、その後、奴等はすぐに仲間の元へ戻りその上で綺羅を倒している」
「……何が言いたいのかしら? 」
聞き返すと、凰呀は強い視線を向けてきた。
「それは此方が聞きたいです。一体、何がしたいのですか? 」
「私には私の考えがあるのよ。……それより、あなたもそんなことを気にしている場合じゃないんじゃない?成果を出さなければ、麗玲に消されるわよ 」
図星だったのか、凰呀は表情を歪めた 。
「……言われなくてもわかってますよ 」
「そう……、なら、しっかりと準備をしておくことね」
言って退室しろというように手を振る 。
納得はしていないようだったが、諦めたように出て行ったのを見て、天奏は今度は深い溜息をついた。
「……私も段々怪しまれてきてるわね 」
(そろそろ、限界かしら? )
そんなことを思いながら、凰呀がいた間、切っていた映像を繋げる。
「……麗玲だけでなく、凰呀や白羅にも付け込まれなければいいんだけどね 」
見ているだけでも少し違和感を感じる様子に、天奏はそう呟いた。
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