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第16章

「……どうして、こんなことになっちゃったんだろ? 」
神界で麗玲に与えられた部屋で花音は呟いた。
此処に来る前、ちらりとだが見た舞達の顔が忘れられない。
それでも両親を見捨てることも出来なければ、一年前、ずっといなかった花音を受け入れていれた街を、街の人々を失いたくもない。
何より一年前に、これからは光輝と一緒にいると決めたのだ。
(でも、こんなことって……)
前に封魔に協力していた時とはまた状況が違う。
今回、花音がしたことは明らかに裏切り行為だった。
「……姉上」
考えに浸っていた花音は呼ばれて視線を向ける。
「……姉上は今回のこと、どう思ってるんだ? 」
「…………わからないよ。本当にこれでよかったのか、……どうするのが正解だったのか」
「……俺は……、俺もこれが正解だとは思ってない。……だが、街を失うことだけはしたくない。……彼処は俺にとって、大切な場所なんだ」
それを聞いて、花音も頷く。
(結局、私は舞ちゃん達と光の街を比べて、後者を選んだんだ)
そしてそう思った。
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