狼が一匹 / 銀時落ち
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「結構歩きましたね。蒼さん、疲れてないですか?」
「はい…あの」
蒼が口をつむいでしまう。何が言いたいけど言えないことでもあるのだろうか。
「言ってみろ」
「……私に関する情報が、全然なかったですね」
「!」
気づいていたのか。いつからだ?蒼をアピールするようなことまではしていないんだが。苦笑いする蒼に痺れを切らし逃れるように適当なことを話した。
「…まーなんだ、わかったことはある。お前はきっと江戸…東京の人間じゃねぇ」
「!!蒼さんが、東京の人間じゃない?」
「ていうか、見た目でわかるアル。私と同じどこかの民族ネ。特にその赤い目、それが鍵になると思うアル」
神楽にしては珍しく鋭いな。俺も同感だ。だからババアの店で働かせる。あそこの客は昔のことをよく知るジジイも多いからな。
「蒼、そろそろ仕事だろ。帰るぞ」
「あ!はい!」
「夜に俺も店に行くから、あんま緊張すんな」
「!!…ありがとうございます!」
暗かった蒼の表情が、少しだけ明るくなった。
記憶喪失で、身寄りがなくて、どっかの民族で、おそらくいい暮らしをしてこなかった…つーかよ。
「蒼、お前歳いくつだ?」
「私ですか?私は26歳ですよ」
「!成人してたのか。じゃ、ババアのとこで一杯交わそうぜ」
「…はい!!」
いつのまにか表情は元の元気な蒼に戻っていた。
ーーーーーーーーーーーーー21時。
やべえやべえ。蒼のとこまで遅れちまう。つっても下なんだけど。
ガラガラッ
「おまっとさー…ん…」
「あ、いらっしゃいませ銀さん!」
目の前の光景に唖然としてしまった。
蒼の格好だ。
着物の襟は開けていて、帯で結んであるからギリギリの所までは見えていないがメロンサイズのメロンがパンパカパーン…
「ちょっ、ババアてめぇちょっとこいや」
「なんだい全く」
店の隅でババアにガン飛ばす。
「蒼のあの格好はなんだって言ってんだよコラ。いつからこの店はどピンクな店になったんですかコノヤロー」
「蒼はスタイルがいいからね。上品な格好させてもしゃべりはどうかわかんないからとりあえず長所を活かしたまでさ。あんたに文句言われる筋合いはないよ」
「見てみろよ蒼のやつ注がれたお猪口一気飲みしんてんじゃねーか大丈夫なのかよあれはよォ」
「蒼は酒に強いみたいだね。そこは活かせるみたいでよかったよ。あんたさっきからグチグチうるさいったらありゃしないね!酒の一杯でも飲んで行きな!」
ババアに言いくるめられて席に戻ると俺の前に蒼が付いた。
「銀さん、何飲まれますか?」
「……メロンパフェ」
「え?」
「パシッ(自分の頬を片手で叩く音)熱燗とチョコレートくれ」
「はい!」
蒼…あいつ無理してねぇのかな…あんな格好させられて、普通誰だって嫌だろ…でも嫌な顔ひとつしてねーんだよな…。
「お待たせしました。熱燗とチョコレートです」
「おー、蒼、お猪口もう一個だせ」
「あ、はい!どうぞ!」
「それはお前の分。注いでやるよ」
「わ!ありがとうございます!銀さんのも注ぎますね!」
「おー」
「では、乾杯!」
ぐびっ
マジで一気飲み…こいつ酒の飲み方知ってんのか?自分のキャパわかってんのか?
今日何杯飲んでるんだ?ババアは気にもとめないのか?
「ほれ、もう一杯」
「はい!」
ぐびっ
「まだあるぞ」
「はい!」
ぐびっ
………
………………
………………………。
23:53、蒼、潰れる。
「ありゃりゃ、この子どれくらい飲んだんだい?銀時、罰として連れて帰りな」
罰を受けるのはババアだと思うんですけどーー!!?
監督不行届だと思うんですけどーーーー????
そう心で叫びながら蒼を背負って帰る。
あー家が近くてよかった!!!!
ガラガラッ。
シーーーーーン。
起きてるやつはいない感じか。
そっと俺の部屋に入り蒼を寝かせる…。
服…このままじゃいかねぇな…新八が見たら泡ふかして童貞も卒業できずに死んじまう。
「…俺は何も見てない、俺は何も見てない」
できるだけ視界を狭めながら蒼の服を脱がす。
が、脱がせたことに安堵し、フツーに蒼の全裸を見てしまった。否、下着姿。
「………本当に白いな……神楽より白いんじゃねぇか?」
裸の女の前でほかの女の名前を出すなど無粋だなと一人で笑えてきた。
「よっこらせ」
俺の寝間着を着せてようやく一段落したところで、また「アレ」がやってきた。
「あ…うう……」
「また悪夢見てんのか」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
いつもと違う「行かないで」、じゃない。
「ここから出して……暗いの……怖いの……」
暗い?怖い?
まさか…幽閉されていたのか?本当に?
「…行かないで……逃げて……行かないで……」
言ってることがめちゃくちゃだ。一体こいつに何があったんだ?…チッ、何も情報がねぇから、助けることすら出来ねぇ自分に腹が立つ。でもよ…
「行かないで……」
「…俺はここにいるよ」
いつものように抱きしめてやると、苦しみから解放されたかのようにスヤスヤと眠り出す。
「俺はここにいる」
ポツリと呟いて、そのまま一緒に眠ってしまった。
「はい…あの」
蒼が口をつむいでしまう。何が言いたいけど言えないことでもあるのだろうか。
「言ってみろ」
「……私に関する情報が、全然なかったですね」
「!」
気づいていたのか。いつからだ?蒼をアピールするようなことまではしていないんだが。苦笑いする蒼に痺れを切らし逃れるように適当なことを話した。
「…まーなんだ、わかったことはある。お前はきっと江戸…東京の人間じゃねぇ」
「!!蒼さんが、東京の人間じゃない?」
「ていうか、見た目でわかるアル。私と同じどこかの民族ネ。特にその赤い目、それが鍵になると思うアル」
神楽にしては珍しく鋭いな。俺も同感だ。だからババアの店で働かせる。あそこの客は昔のことをよく知るジジイも多いからな。
「蒼、そろそろ仕事だろ。帰るぞ」
「あ!はい!」
「夜に俺も店に行くから、あんま緊張すんな」
「!!…ありがとうございます!」
暗かった蒼の表情が、少しだけ明るくなった。
記憶喪失で、身寄りがなくて、どっかの民族で、おそらくいい暮らしをしてこなかった…つーかよ。
「蒼、お前歳いくつだ?」
「私ですか?私は26歳ですよ」
「!成人してたのか。じゃ、ババアのとこで一杯交わそうぜ」
「…はい!!」
いつのまにか表情は元の元気な蒼に戻っていた。
ーーーーーーーーーーーーー21時。
やべえやべえ。蒼のとこまで遅れちまう。つっても下なんだけど。
ガラガラッ
「おまっとさー…ん…」
「あ、いらっしゃいませ銀さん!」
目の前の光景に唖然としてしまった。
蒼の格好だ。
着物の襟は開けていて、帯で結んであるからギリギリの所までは見えていないがメロンサイズのメロンがパンパカパーン…
「ちょっ、ババアてめぇちょっとこいや」
「なんだい全く」
店の隅でババアにガン飛ばす。
「蒼のあの格好はなんだって言ってんだよコラ。いつからこの店はどピンクな店になったんですかコノヤロー」
「蒼はスタイルがいいからね。上品な格好させてもしゃべりはどうかわかんないからとりあえず長所を活かしたまでさ。あんたに文句言われる筋合いはないよ」
「見てみろよ蒼のやつ注がれたお猪口一気飲みしんてんじゃねーか大丈夫なのかよあれはよォ」
「蒼は酒に強いみたいだね。そこは活かせるみたいでよかったよ。あんたさっきからグチグチうるさいったらありゃしないね!酒の一杯でも飲んで行きな!」
ババアに言いくるめられて席に戻ると俺の前に蒼が付いた。
「銀さん、何飲まれますか?」
「……メロンパフェ」
「え?」
「パシッ(自分の頬を片手で叩く音)熱燗とチョコレートくれ」
「はい!」
蒼…あいつ無理してねぇのかな…あんな格好させられて、普通誰だって嫌だろ…でも嫌な顔ひとつしてねーんだよな…。
「お待たせしました。熱燗とチョコレートです」
「おー、蒼、お猪口もう一個だせ」
「あ、はい!どうぞ!」
「それはお前の分。注いでやるよ」
「わ!ありがとうございます!銀さんのも注ぎますね!」
「おー」
「では、乾杯!」
ぐびっ
マジで一気飲み…こいつ酒の飲み方知ってんのか?自分のキャパわかってんのか?
今日何杯飲んでるんだ?ババアは気にもとめないのか?
「ほれ、もう一杯」
「はい!」
ぐびっ
「まだあるぞ」
「はい!」
ぐびっ
………
………………
………………………。
23:53、蒼、潰れる。
「ありゃりゃ、この子どれくらい飲んだんだい?銀時、罰として連れて帰りな」
罰を受けるのはババアだと思うんですけどーー!!?
監督不行届だと思うんですけどーーーー????
そう心で叫びながら蒼を背負って帰る。
あー家が近くてよかった!!!!
ガラガラッ。
シーーーーーン。
起きてるやつはいない感じか。
そっと俺の部屋に入り蒼を寝かせる…。
服…このままじゃいかねぇな…新八が見たら泡ふかして童貞も卒業できずに死んじまう。
「…俺は何も見てない、俺は何も見てない」
できるだけ視界を狭めながら蒼の服を脱がす。
が、脱がせたことに安堵し、フツーに蒼の全裸を見てしまった。否、下着姿。
「………本当に白いな……神楽より白いんじゃねぇか?」
裸の女の前でほかの女の名前を出すなど無粋だなと一人で笑えてきた。
「よっこらせ」
俺の寝間着を着せてようやく一段落したところで、また「アレ」がやってきた。
「あ…うう……」
「また悪夢見てんのか」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
いつもと違う「行かないで」、じゃない。
「ここから出して……暗いの……怖いの……」
暗い?怖い?
まさか…幽閉されていたのか?本当に?
「…行かないで……逃げて……行かないで……」
言ってることがめちゃくちゃだ。一体こいつに何があったんだ?…チッ、何も情報がねぇから、助けることすら出来ねぇ自分に腹が立つ。でもよ…
「行かないで……」
「…俺はここにいるよ」
いつものように抱きしめてやると、苦しみから解放されたかのようにスヤスヤと眠り出す。
「俺はここにいる」
ポツリと呟いて、そのまま一緒に眠ってしまった。
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