狼が一匹 / 銀時落ち
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ここは東京。かつては江戸と呼ばれていた場所。
建物は見る見るうちに発展していき見違えるほどとなった。でも、そんな中でも変わらない街はある。
それが俺の街。
今日は俺の愛車(スクーター)がついに壊れたので、修理に出して仕事を切り上げ家に帰るところ。が、
「…オイオイ、マジかよ…」
俺の家の、正確にはババア(お登勢)の店の前に一人の女が横たわっていた。
「酔っ払いか?何にせよ迷惑だな。おーい、お嬢さーん。酔っ払うなら他所でやってくれ。迷惑してんだよー」
返事がない。余程泥酔しているか、それとももう息の根がーーーー。
「うっ…うう…」
よかった。息はしているようだ。
「酔っ払うならよそでやれー」
「スー…スー…」
寝やがった。
「…仕方ねぇな」
とりあえず女を抱え、2階の家へ連れていき…俺の布団へ寝かせた。起きた時男臭ッとか言われる筋合いねぇからな?!外で寝てたお前さんが悪いんだからな?!
「う…うう…」
なんだ。魘されてるのか。
「……行かないで……行かないで…」
ギュッと俺の着物の袖を掴むその手は力強くて。
「置いていかないで…」
「………」
一先ず、掴まれた着物の袖が中々離れないので俺も横になる。
「……青い髪色に、真っ白ぇ肌。お前は何モンだ?」
女は俺の胸に擦り寄ってきた。オイオイ、これ以上はさすがの俺も正気じゃいられない。
「お願い…行かないで…」
静かに溢れる涙。こいつは一体全体何と戦ってるんだ?
神楽が定春の散歩から戻るまであと一時間。
新八は遠方にいるから帰りが遅くなる。
一先ず、女の背中に手を添えた。
ーーーーーーーーーーーー。
「銀ちゃーーーん帰ったアルヨーーーー」
パチッ!!!!!!!!!!!!
っぶねーー!!!!!寝ちまってた!!!
女は…まだ寝てるな………ん?さっきよりだいぶ顔色がいいような……ってそれどころじゃねぇーーーー!!!!!
「か、ぐ、ら!!!(ヒソヒソ)」
「あー銀ちゃん部屋にいたアルかー。どうしたネ?」
「驚くかもしれないが、今俺の部屋には女がいる。知らねぇ女だ。訳あって寝かせてる。起こすなよ」
「なるほど、デリヘルってやつアルネー」
「ちっげぇよ!どこでそんな言葉覚えたんだよ!」
「ただいま戻りましたー」
!!新八か!!思ったより早く帰ってきたな!!
「新八!新八!(ヒソヒソ)」
「どうしたんですか銀さん」
「神楽にも話したけど、今事情があって俺の部屋に知らねぇ女を寝かせてる。起こさないでやってくれ」
「銀さん……デリヘルを家に呼ぶのはやめてください」
「だから違うっつーノォ!!!!!!」
「きゃっ…」
「「「?!」」」
女が、目を覚ました。
青い髪に真っ白な肌、そして何より、真っ赤な目をしている。そしてかなり整った端正な顔立ち。
「起きたか。おめぇさん、自分が子一時間ほど前にどこにいたかわかるか?」
神楽と新八が不思議そうにしている。
「ここは…どこですか?」
「俺の家であり俺の店だ」
「その…地域的に…」
「ここは東京だ」
「東京?…ってどこですか?」
嫌な予感がする。
「お前、自分の名前はわかるか?」
「一ノ瀬蒼です」
「あー、じゃ、蒼。俺の家の下で倒れてたことは覚えてるか?」
「銀さん、この人倒れてたんですか?」
「酔っ払いアル」
「私…倒れてたんですか?」
嫌な予感が的中しそうな気がする。
「お前、自分の名前以外に覚えてることは?」
「私、私は……私は………」
「……………記憶喪失ってやつだな」
一ノ瀬蒼。これだけじゃ知り合いを探すのは難しいだろう。何より魘されてたあのとき。あれが何かのヒントになるかもしれねぇ。こいつは誰かと一緒にいたんだ。旦那か、兄弟か、知らねぇけど。
「銀さん、記憶喪失って、この方どうするんですか?!」
「まぁ、考えはある。蒼、着いてこい」
蒼は不安そうにしながら駆け足で俺の後ろに着いてきた。
「俺ァ坂田銀時だ。さっきのメガネが新八、女の方は神楽」
「坂田さん…私どうすれば…」
「俺のことは銀さんって呼べ。みんなそう呼ぶ。下の店は飲み屋になってるんだ。お前はとりあえずそこで働け」
ガラガラッ
「ババアーいるかー」
「あんたが家賃払うまではどこも行かないよ」
「急なんだけどよ、こいつ、雇ってくれ」
「……ワケありって感じだね。ふーん、顔は悪くないね。スタイルもいいし。いいよ。明日から働きな」
「私、ここで働くんですか?!よろしくお願いします!あの…」
「お登勢でいいよ。しっかり働いてもらうからね」
「あんがとさん。実は記憶喪失で自分の名前以外分からないらしいからそこんとこよろしく」
「またとんでもないの連れてきたね!!!!」
ガラガラ ピシャッ
「次は寝床だな」
寝…さっき魘されていた光景を思い出す。
こいつを一人にするのは危険な気がする。
俺の勘はこういう時こそ当たりやすい。
「蒼、お前しばらくうちに住め」
「えっ…銀さんのおうちに…?」
「俺の布団があるから、それ使え。今日寝てたやつだ。俺ァソファで寝るから気にすんな」
「私…!私がソファで寝ます!男性は体格がありますし、小さい私がソファで寝た方がいいでしょう?」
あれ?そんなに俺の布団臭かった?そんなに嫌だったのかな?ちょっと傷ついちゃうな?
「何より…なんでもかんでもしてもらってばかりではいけませんから…遠慮くらいさせてください」
あ、遠慮だったのね。おじさん、涙がでるとこだったよ。今日会ったばかりの女にそんな姿見せられないよ。
「わかったよ。蒼はソファな。今日は疲れただろ。もう休め」
「あ…銀さん、その、お礼に貰って欲しいものがあるんです」
「もらってほしいものぉ?」
蒼は帯からスっと何かを取り出した。
「今の私の全財産、300万円です」
ちょいちょいちょいちょい、何言っちゃってんのこの子ォ?!帯から300万円???そりゃ自分のことは覚えてるっぽかったけどさァ!!!!どーしたら帯に300万忍び込ませるの?!?!何があったのマジで?!?!家出?!?!家出とか?!?!実は名家の娘とかー?!?!
「受け取れるわけねーだろンなもん!しまいなさい!シッシッ!」
残念そうにしてる…。
「ほんとに、いろいろとありがとうございます。このご恩は忘れません」
「いーんだよ。気にすんな。俺の気まぐれだ。いいから休め」
「はい、おやすみなさい」
しかし、
眠りについた蒼は再び悪夢に魘されることになる。
建物は見る見るうちに発展していき見違えるほどとなった。でも、そんな中でも変わらない街はある。
それが俺の街。
今日は俺の愛車(スクーター)がついに壊れたので、修理に出して仕事を切り上げ家に帰るところ。が、
「…オイオイ、マジかよ…」
俺の家の、正確にはババア(お登勢)の店の前に一人の女が横たわっていた。
「酔っ払いか?何にせよ迷惑だな。おーい、お嬢さーん。酔っ払うなら他所でやってくれ。迷惑してんだよー」
返事がない。余程泥酔しているか、それとももう息の根がーーーー。
「うっ…うう…」
よかった。息はしているようだ。
「酔っ払うならよそでやれー」
「スー…スー…」
寝やがった。
「…仕方ねぇな」
とりあえず女を抱え、2階の家へ連れていき…俺の布団へ寝かせた。起きた時男臭ッとか言われる筋合いねぇからな?!外で寝てたお前さんが悪いんだからな?!
「う…うう…」
なんだ。魘されてるのか。
「……行かないで……行かないで…」
ギュッと俺の着物の袖を掴むその手は力強くて。
「置いていかないで…」
「………」
一先ず、掴まれた着物の袖が中々離れないので俺も横になる。
「……青い髪色に、真っ白ぇ肌。お前は何モンだ?」
女は俺の胸に擦り寄ってきた。オイオイ、これ以上はさすがの俺も正気じゃいられない。
「お願い…行かないで…」
静かに溢れる涙。こいつは一体全体何と戦ってるんだ?
神楽が定春の散歩から戻るまであと一時間。
新八は遠方にいるから帰りが遅くなる。
一先ず、女の背中に手を添えた。
ーーーーーーーーーーーー。
「銀ちゃーーーん帰ったアルヨーーーー」
パチッ!!!!!!!!!!!!
っぶねーー!!!!!寝ちまってた!!!
女は…まだ寝てるな………ん?さっきよりだいぶ顔色がいいような……ってそれどころじゃねぇーーーー!!!!!
「か、ぐ、ら!!!(ヒソヒソ)」
「あー銀ちゃん部屋にいたアルかー。どうしたネ?」
「驚くかもしれないが、今俺の部屋には女がいる。知らねぇ女だ。訳あって寝かせてる。起こすなよ」
「なるほど、デリヘルってやつアルネー」
「ちっげぇよ!どこでそんな言葉覚えたんだよ!」
「ただいま戻りましたー」
!!新八か!!思ったより早く帰ってきたな!!
「新八!新八!(ヒソヒソ)」
「どうしたんですか銀さん」
「神楽にも話したけど、今事情があって俺の部屋に知らねぇ女を寝かせてる。起こさないでやってくれ」
「銀さん……デリヘルを家に呼ぶのはやめてください」
「だから違うっつーノォ!!!!!!」
「きゃっ…」
「「「?!」」」
女が、目を覚ました。
青い髪に真っ白な肌、そして何より、真っ赤な目をしている。そしてかなり整った端正な顔立ち。
「起きたか。おめぇさん、自分が子一時間ほど前にどこにいたかわかるか?」
神楽と新八が不思議そうにしている。
「ここは…どこですか?」
「俺の家であり俺の店だ」
「その…地域的に…」
「ここは東京だ」
「東京?…ってどこですか?」
嫌な予感がする。
「お前、自分の名前はわかるか?」
「一ノ瀬蒼です」
「あー、じゃ、蒼。俺の家の下で倒れてたことは覚えてるか?」
「銀さん、この人倒れてたんですか?」
「酔っ払いアル」
「私…倒れてたんですか?」
嫌な予感が的中しそうな気がする。
「お前、自分の名前以外に覚えてることは?」
「私、私は……私は………」
「……………記憶喪失ってやつだな」
一ノ瀬蒼。これだけじゃ知り合いを探すのは難しいだろう。何より魘されてたあのとき。あれが何かのヒントになるかもしれねぇ。こいつは誰かと一緒にいたんだ。旦那か、兄弟か、知らねぇけど。
「銀さん、記憶喪失って、この方どうするんですか?!」
「まぁ、考えはある。蒼、着いてこい」
蒼は不安そうにしながら駆け足で俺の後ろに着いてきた。
「俺ァ坂田銀時だ。さっきのメガネが新八、女の方は神楽」
「坂田さん…私どうすれば…」
「俺のことは銀さんって呼べ。みんなそう呼ぶ。下の店は飲み屋になってるんだ。お前はとりあえずそこで働け」
ガラガラッ
「ババアーいるかー」
「あんたが家賃払うまではどこも行かないよ」
「急なんだけどよ、こいつ、雇ってくれ」
「……ワケありって感じだね。ふーん、顔は悪くないね。スタイルもいいし。いいよ。明日から働きな」
「私、ここで働くんですか?!よろしくお願いします!あの…」
「お登勢でいいよ。しっかり働いてもらうからね」
「あんがとさん。実は記憶喪失で自分の名前以外分からないらしいからそこんとこよろしく」
「またとんでもないの連れてきたね!!!!」
ガラガラ ピシャッ
「次は寝床だな」
寝…さっき魘されていた光景を思い出す。
こいつを一人にするのは危険な気がする。
俺の勘はこういう時こそ当たりやすい。
「蒼、お前しばらくうちに住め」
「えっ…銀さんのおうちに…?」
「俺の布団があるから、それ使え。今日寝てたやつだ。俺ァソファで寝るから気にすんな」
「私…!私がソファで寝ます!男性は体格がありますし、小さい私がソファで寝た方がいいでしょう?」
あれ?そんなに俺の布団臭かった?そんなに嫌だったのかな?ちょっと傷ついちゃうな?
「何より…なんでもかんでもしてもらってばかりではいけませんから…遠慮くらいさせてください」
あ、遠慮だったのね。おじさん、涙がでるとこだったよ。今日会ったばかりの女にそんな姿見せられないよ。
「わかったよ。蒼はソファな。今日は疲れただろ。もう休め」
「あ…銀さん、その、お礼に貰って欲しいものがあるんです」
「もらってほしいものぉ?」
蒼は帯からスっと何かを取り出した。
「今の私の全財産、300万円です」
ちょいちょいちょいちょい、何言っちゃってんのこの子ォ?!帯から300万円???そりゃ自分のことは覚えてるっぽかったけどさァ!!!!どーしたら帯に300万忍び込ませるの?!?!何があったのマジで?!?!家出?!?!家出とか?!?!実は名家の娘とかー?!?!
「受け取れるわけねーだろンなもん!しまいなさい!シッシッ!」
残念そうにしてる…。
「ほんとに、いろいろとありがとうございます。このご恩は忘れません」
「いーんだよ。気にすんな。俺の気まぐれだ。いいから休め」
「はい、おやすみなさい」
しかし、
眠りについた蒼は再び悪夢に魘されることになる。
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