なんでもない、ただの愛
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火影室にて。
「そういえば龍神…蒼の父親は、最後の対決で龍遁使わなかったな」
仕事中、カカシ様が不思議そうに聞いてくる。
「あれは…わざとだと思います。」
「わざと?」
「はい。正直、手を抜いてます、あれは」
「なんのために?」
「もう、認めてたんだと思います。カカシ様のこと」
へぇ〜と、一言。
「お父様は目利きもいいですよ。人を見る目はあります」
「あのとき勝てたのは、蒼の父親のおかげって感じなのね」
「まぁ…そうなりますね」
ちょっと考え込むカカシ様。何を思ってるんだろう。
「ま、勝ったは勝っただし。とりあえず婚約発表しよっか」
だからその婚約発表とは…。
「蒼、イヤそうな顔してるね」
「私はあまり人に見られるのは得意じゃないんです。少数ならまだしも」
なんなら暗部だし、仕事にも影響でそうだし。龍神の子供だし。
「うーん、じゃあ俺一人で発表するか」
「いいんですか?!」
思わず声を大きくしてしまった。
「うん。新聞に取材してもらうだけだし、蒼の名前は伏せておくよ」
「助かります...!」
「でも、一緒に外に食事に行く時とか、速攻でバレるけどね。婚約者ですかー、なんで好きになったんですかー、お名前なんですかーってめちゃくちゃ声かけられると思うし」
「うっ……」
思わず言葉に詰まってしまう。それならいっそ、一緒に取材を受けた方がいいのかもしれない。おめでとうって言われるだけで済むかもしれない。
「どうする?一緒に取材受ける?」
「……はい」
カカシ様は椅子から立ち上がり、私の前まで来てギュッと抱きしめてくれた。
「色んな人が祝福してくれるよ。大丈夫」
コンコン、ガチャ
「火影さー………………」
すかさず抱きしめられた手を払う私。
「……あんたら……ほんと……」
「いやーごめんごめん、ちょっと大事な話しててさ」
「大事な話しでイチャつくことがあるんすか?」
「それが、あるんだよ。シカマルには先に言っとくけど……」
空気が変わり、シカマルもゴクリと唾を飲み込む。
「実は俺と蒼、婚約することになりましたーっ」
瞬間、ガックリと肩を落とすシカマル。
「まじどうでもいっすよ、そんなこと。つーかそうなるだろうと思ってましたし」
「そう?それで今日、婚約発表するために新聞の取材がくるから会議室抑えといて」
「そんな使いっ走りは今回だけですからね」
「祝福してくれてありがとねっ!」
「いや……はぁ……まぁ、おめでとうございます」
じゃ、俺はこの書類届けに来ただけですからこれで、と言ってシカマルは出て行った。
「あと2時間くらいしたら取材くるから、今のうちに仕事片付けよう」
「はい!」
こういうときはきちんとメリハリをつけるカカシ様はさすがだと思う……って、普段ははちゃめちゃだってことになるけど。
……
……
……
コンコン
「シカマルか」
「取材の人が来てます」
「わかった。行くよ、蒼」
「はいっ」
取材って……緊張する……。何話せばいいんだろう。
「火影さまーー!!この度はご婚約おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「さっそく、出会いのきっかけとかお聞きしたいのですが……」
暗部であることは極力避けたい。
「俺の補佐役が欲しくて、シカマルの勧めで蒼さんに頼んだんです」
その方向で話をすすめるんだ。
「なるほどぉ。それで二人で仕事をするうちにって感じですか?」
「そうなりますね。彼女の仕事ぶりに惚れちゃって。テキパキ仕事してくれて、かなり助けられてます」
「まぁー!素敵な出会いだったんですね!どちらから告白されたんですか?」
「それは男の俺からですよ」
「婚約するきっかけは?」
「蒼さんの仕事ぶりを見て、プライベートも気になって、遊びに誘った時に俺への配慮がすごくしっかりしていたんです」
「と、いいますと?」
「一応火影なので、飲食の場所は完全個室にしてもらったり、道を歩いていても私を守るように体勢を整えてくれたりとかですかね」
う、うそだぁ〜。平気で嘘ついてる、この人。
「へぇ!そうなんですね。ちなみにもちろんかと思いますが、隣にいらっしゃるこの方が、婚約者さん?」
「です。蒼、自己紹介」
「あっ、一ノ瀬蒼と申します!よろしくお願いしましゅ(噛んだ……)」
「一ノ瀬さんは、どう言った経歴で忍に?」
あ……なんて言ったらいいんだろう……
「あ、あの……えと……」
「彼女は、幼い頃の記憶がなく、親もいないので施設でうちの忍に拾われ、そのまま忍者として育てられたんですよ。修行を重ねて、立派な忍になってくれました」
カカシ様が私の代わりに答えてくれた。ちょっとした嘘を交えて。
「まぁ!それは大変でしたね!一ノ瀬さんの今の心境はどうですか?」
「はい……周りの人達にとても助けられてます。育ててくれた師匠にも感謝しています。それから、修行につきあってくださったカカシ様にも」
「火影様と出会って変わったことはありますか?」
「ベタですけど、未来が明るくなりました。記憶がなくなって過去にばかり執着していたのですが、カカシ様と出会って今を生きる楽しさを身につけました」
「ズバリ、火影様の好きなところは?」
「恥ずかしいですね…そうですね、優しいところはもちろんですけど、仕事になるときの真剣さが素敵だなと思います」
「火影様、一ノ瀬さんの好きなところは?」
「全部です」
にこーっと笑って答えるカカシ様とは裏腹に、私も記者さんもつい顔を赤くしてしまった。
「そ、それでは、婚約したということで、お二人の意気込みをどうぞ!」
「幸せにします。誰よりも。これから先もずっと笑い合えるように。二人で一緒に、一歩ずつ、忍としても夫婦としてもお互いが成長できるように頑張っていきます」
「(恥ずかしっ…)私も、助けられてばかりではなく、忍として、夫婦としてカカシ様を支えていきたいです」
「ふむふむ、わかりました。さっそく 記事にさせて頂きますね!ありがとうございました!最後に写真だけ撮らせてください!」
こうして取材は無事終了した。
「はぁ〜〜。緊張しました。心臓バクバクでした」
「蒼ありがとね。無理させちゃって」
「全然!大丈夫です。いい経験になりました」
「結婚したらまたこういうことあるから、覚えといてね」
ニコニコ笑うカカシ様、なんだか楽しそうだ。
「取材の時の……カカシ様は嘘がお上手ですね」
「忍だからね」
果たして関係あるのかは不明だが、納得することにした。
「蒼、仕事終わったらちょっと散歩しようか」
「?わかりました」
カカシ様も私も仕事を終え、二人で火影岩の上まで行く。
「夜はキラキラしててキレイですね」
「まだ街は賑わってる時間だからね」
「それようりどうしてここに?」
「うーん。ムード?」
なんの事やらと思ったら、カカシ様が私の手をそっと触れる。
「蒼」
「?」
左手の薬指に、キラリとした指輪がはめられた。
「カカシ様……これ……」
「うん、婚約者だからね。婚約指輪だよ。……いつも蒼に助けられて、蒼のことばかり考えて、蒼がいるから頑張れて…蒼のお陰で今の俺がいるんだ…。蒼、ずっと愛してるよ。俺と、結婚してください」
「……っ」
目が滲む。
「ありがとう、ございますっ…。よろしくお願いします…!」
「見て見て、俺もつけた」
そう言ってカカシ様は自分の左手につけられた指輪を見せてくれた。笑顔で、嬉しそう。
「これ、絶対なくさないようにします」
「俺も。よかった、今日これを渡せて」
実は結構前から準備してたんだよねーと。
一緒に生活してるのに何も気づかなかった……。
「カカシ様…さん……私ばっかり色々してもらって……すみません…」
「そこはありがとって言って欲しいなぁ」
カカシ様が眉をへの字にして私の頭に手を添える。
「それに、蒼ばっかりってこともないし。俺も内心浮かれてるもん」
カカシ様はマスクを外し、ぎゅっと手を握って、唇を私の手の甲に触れさせた。
「蒼、これからもよろしくね」
「っ、はい!よろしくお願いします!」
今度は、唇と唇を重ねて。
「そういえば龍神…蒼の父親は、最後の対決で龍遁使わなかったな」
仕事中、カカシ様が不思議そうに聞いてくる。
「あれは…わざとだと思います。」
「わざと?」
「はい。正直、手を抜いてます、あれは」
「なんのために?」
「もう、認めてたんだと思います。カカシ様のこと」
へぇ〜と、一言。
「お父様は目利きもいいですよ。人を見る目はあります」
「あのとき勝てたのは、蒼の父親のおかげって感じなのね」
「まぁ…そうなりますね」
ちょっと考え込むカカシ様。何を思ってるんだろう。
「ま、勝ったは勝っただし。とりあえず婚約発表しよっか」
だからその婚約発表とは…。
「蒼、イヤそうな顔してるね」
「私はあまり人に見られるのは得意じゃないんです。少数ならまだしも」
なんなら暗部だし、仕事にも影響でそうだし。龍神の子供だし。
「うーん、じゃあ俺一人で発表するか」
「いいんですか?!」
思わず声を大きくしてしまった。
「うん。新聞に取材してもらうだけだし、蒼の名前は伏せておくよ」
「助かります...!」
「でも、一緒に外に食事に行く時とか、速攻でバレるけどね。婚約者ですかー、なんで好きになったんですかー、お名前なんですかーってめちゃくちゃ声かけられると思うし」
「うっ……」
思わず言葉に詰まってしまう。それならいっそ、一緒に取材を受けた方がいいのかもしれない。おめでとうって言われるだけで済むかもしれない。
「どうする?一緒に取材受ける?」
「……はい」
カカシ様は椅子から立ち上がり、私の前まで来てギュッと抱きしめてくれた。
「色んな人が祝福してくれるよ。大丈夫」
コンコン、ガチャ
「火影さー………………」
すかさず抱きしめられた手を払う私。
「……あんたら……ほんと……」
「いやーごめんごめん、ちょっと大事な話しててさ」
「大事な話しでイチャつくことがあるんすか?」
「それが、あるんだよ。シカマルには先に言っとくけど……」
空気が変わり、シカマルもゴクリと唾を飲み込む。
「実は俺と蒼、婚約することになりましたーっ」
瞬間、ガックリと肩を落とすシカマル。
「まじどうでもいっすよ、そんなこと。つーかそうなるだろうと思ってましたし」
「そう?それで今日、婚約発表するために新聞の取材がくるから会議室抑えといて」
「そんな使いっ走りは今回だけですからね」
「祝福してくれてありがとねっ!」
「いや……はぁ……まぁ、おめでとうございます」
じゃ、俺はこの書類届けに来ただけですからこれで、と言ってシカマルは出て行った。
「あと2時間くらいしたら取材くるから、今のうちに仕事片付けよう」
「はい!」
こういうときはきちんとメリハリをつけるカカシ様はさすがだと思う……って、普段ははちゃめちゃだってことになるけど。
……
……
……
コンコン
「シカマルか」
「取材の人が来てます」
「わかった。行くよ、蒼」
「はいっ」
取材って……緊張する……。何話せばいいんだろう。
「火影さまーー!!この度はご婚約おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「さっそく、出会いのきっかけとかお聞きしたいのですが……」
暗部であることは極力避けたい。
「俺の補佐役が欲しくて、シカマルの勧めで蒼さんに頼んだんです」
その方向で話をすすめるんだ。
「なるほどぉ。それで二人で仕事をするうちにって感じですか?」
「そうなりますね。彼女の仕事ぶりに惚れちゃって。テキパキ仕事してくれて、かなり助けられてます」
「まぁー!素敵な出会いだったんですね!どちらから告白されたんですか?」
「それは男の俺からですよ」
「婚約するきっかけは?」
「蒼さんの仕事ぶりを見て、プライベートも気になって、遊びに誘った時に俺への配慮がすごくしっかりしていたんです」
「と、いいますと?」
「一応火影なので、飲食の場所は完全個室にしてもらったり、道を歩いていても私を守るように体勢を整えてくれたりとかですかね」
う、うそだぁ〜。平気で嘘ついてる、この人。
「へぇ!そうなんですね。ちなみにもちろんかと思いますが、隣にいらっしゃるこの方が、婚約者さん?」
「です。蒼、自己紹介」
「あっ、一ノ瀬蒼と申します!よろしくお願いしましゅ(噛んだ……)」
「一ノ瀬さんは、どう言った経歴で忍に?」
あ……なんて言ったらいいんだろう……
「あ、あの……えと……」
「彼女は、幼い頃の記憶がなく、親もいないので施設でうちの忍に拾われ、そのまま忍者として育てられたんですよ。修行を重ねて、立派な忍になってくれました」
カカシ様が私の代わりに答えてくれた。ちょっとした嘘を交えて。
「まぁ!それは大変でしたね!一ノ瀬さんの今の心境はどうですか?」
「はい……周りの人達にとても助けられてます。育ててくれた師匠にも感謝しています。それから、修行につきあってくださったカカシ様にも」
「火影様と出会って変わったことはありますか?」
「ベタですけど、未来が明るくなりました。記憶がなくなって過去にばかり執着していたのですが、カカシ様と出会って今を生きる楽しさを身につけました」
「ズバリ、火影様の好きなところは?」
「恥ずかしいですね…そうですね、優しいところはもちろんですけど、仕事になるときの真剣さが素敵だなと思います」
「火影様、一ノ瀬さんの好きなところは?」
「全部です」
にこーっと笑って答えるカカシ様とは裏腹に、私も記者さんもつい顔を赤くしてしまった。
「そ、それでは、婚約したということで、お二人の意気込みをどうぞ!」
「幸せにします。誰よりも。これから先もずっと笑い合えるように。二人で一緒に、一歩ずつ、忍としても夫婦としてもお互いが成長できるように頑張っていきます」
「(恥ずかしっ…)私も、助けられてばかりではなく、忍として、夫婦としてカカシ様を支えていきたいです」
「ふむふむ、わかりました。さっそく 記事にさせて頂きますね!ありがとうございました!最後に写真だけ撮らせてください!」
こうして取材は無事終了した。
「はぁ〜〜。緊張しました。心臓バクバクでした」
「蒼ありがとね。無理させちゃって」
「全然!大丈夫です。いい経験になりました」
「結婚したらまたこういうことあるから、覚えといてね」
ニコニコ笑うカカシ様、なんだか楽しそうだ。
「取材の時の……カカシ様は嘘がお上手ですね」
「忍だからね」
果たして関係あるのかは不明だが、納得することにした。
「蒼、仕事終わったらちょっと散歩しようか」
「?わかりました」
カカシ様も私も仕事を終え、二人で火影岩の上まで行く。
「夜はキラキラしててキレイですね」
「まだ街は賑わってる時間だからね」
「それようりどうしてここに?」
「うーん。ムード?」
なんの事やらと思ったら、カカシ様が私の手をそっと触れる。
「蒼」
「?」
左手の薬指に、キラリとした指輪がはめられた。
「カカシ様……これ……」
「うん、婚約者だからね。婚約指輪だよ。……いつも蒼に助けられて、蒼のことばかり考えて、蒼がいるから頑張れて…蒼のお陰で今の俺がいるんだ…。蒼、ずっと愛してるよ。俺と、結婚してください」
「……っ」
目が滲む。
「ありがとう、ございますっ…。よろしくお願いします…!」
「見て見て、俺もつけた」
そう言ってカカシ様は自分の左手につけられた指輪を見せてくれた。笑顔で、嬉しそう。
「これ、絶対なくさないようにします」
「俺も。よかった、今日これを渡せて」
実は結構前から準備してたんだよねーと。
一緒に生活してるのに何も気づかなかった……。
「カカシ様…さん……私ばっかり色々してもらって……すみません…」
「そこはありがとって言って欲しいなぁ」
カカシ様が眉をへの字にして私の頭に手を添える。
「それに、蒼ばっかりってこともないし。俺も内心浮かれてるもん」
カカシ様はマスクを外し、ぎゅっと手を握って、唇を私の手の甲に触れさせた。
「蒼、これからもよろしくね」
「っ、はい!よろしくお願いします!」
今度は、唇と唇を重ねて。